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平成11年6月定例会(第2日目) 本文
平成11年6月定例会(第2日目) 名簿

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  1. 島根県議会 1999-06-02
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    島根県議会会議録検索 検索結果一覧へ戻る 検索をやり直す (このウィンドウを閉じます) 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成11年6月定例会(第2日目) 本文 1999-06-29 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別ウィンドウ表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 63 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 2 : ◯三十八番(佐々木雄三君) 選択 3 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 4 : ◯知事澄田信義君) 選択 5 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 6 : ◯総務部長原正之君) 選択 7 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 8 : ◯企画振興部長(島田一嗣君) 選択 9 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 10 : ◯健康福祉部長外山千也君) 選択 11 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 12 : ◯農林水産部長稲田光君) 選択 13 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 14 : ◯商工労働部長稲田節哉君選択 15 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 16 : ◯教育長山崎悠雄君) 選択 17 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 18 : ◯公安委員長千家尊祐君) 選択 19 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 20 : ◯副議長小川博之君) 選択 21 : ◯十七番(渡辺恵夫君選択 22 : ◯副議長小川博之君) 選択 23 : ◯知事澄田信義君) 選択 24 : ◯副議長小川博之君) 選択 25 : ◯総務部長原正之君) 選択 26 : ◯副議長小川博之君) 選択 27 : ◯企画振興部長(島田一嗣君) 選択 28 : ◯副議長小川博之君) 選択 29 : ◯環境生活部長(飯塚紀君) 選択 30 : ◯副議長小川博之君) 選択 31 : ◯健康福祉部長外山千也君) 選択 32 : ◯副議長小川博之君) 選択 33 : ◯農林水産部長稲田光君) 選択 34 : ◯副議長小川博之君) 選択 35 : ◯商工労働部長稲田節哉君選択 36 : ◯副議長小川博之君) 選択 37 : ◯教育長山崎悠雄君) 選択 38 : ◯副議長小川博之君) 選択 39 : ◯警察本部長(佐伯英隆君) 選択 40 : ◯副議長小川博之君) 選択 41 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 42 : ◯三十五番(成相安信君) 選択 43 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 44 : ◯知事澄田信義君) 選択 45 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 46 : ◯総務部長原正之君) 選択 47 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 48 : ◯企画振興部長(島田一嗣君) 選択 49 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 50 : ◯環境生活部長(飯塚紀君) 選択 51 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 52 : ◯健康福祉部長外山千也君) 選択 53 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 54 : ◯農林水産部長稲田光君) 選択 55 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 56 : ◯商工労働部長稲田節哉君選択 57 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 58 : ◯土木部長(福成孝三君) 選択 59 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 60 : ◯教育長山崎悠雄君) 選択 61 : ◯議長飯塚普彬君) 選択 62 : ◯警察本部長(佐伯英隆君) 選択 63 : ◯議長飯塚普彬君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 午前十時三十三分開議 ◯議長飯塚普彬君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、県政一般に関する「質問」を行います。  初めに、各派の代表質問を行います。  質問の通告がありますので、議長が指名して順次発言を許します。  自民党議員連盟代表佐々木雄三君。    〔佐々木雄三君登壇、拍手〕 2: ◯三十八番(佐々木雄三君) これより自民党議員連盟を代表いたしまして質問をいたします。知事を初め関係部長の明快なる答弁を願います。  澄田知事には、さきの選挙において圧倒的多数の県民の皆様からの支持を得られ、我が県の県政史上初めて四期目の県政を担当されることになりました。心からお喜び申し上げますとともに、今後の活躍を望むものであります。  さて、先ごろ、いわゆる地方分権一括法案が衆議院を通過し、今国会において成立する見通しとなっているところでありますが、平成十二年四月一日の施行を目前に控え、地方分権はいよいよ議論の段階から実行の段階へと差しかかってまいりました。  そもそも、地方分権の推進は、東京一極集中の中央集権的な行政システムを根本から見直し、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図るため、各般の行政を展開する上で国及び地方公共団体が分担すべき役割を明確にし、住民に身近な行政をできる限り身近な地方公共団体において処理することを基本とするものであります。  今後、この基本理念に基づき、機関委任事務が撤廃され、国と地方は対等・協力の新しい関係を築くことになりますが、反面、地方公共団体の自己決定権と自己責任は拡大してまいります。地方分権を名実ともに実効あるものにならしめるためには、権限、財源、人間をきちんと地方が確保し、来るべき地方分権の時代に対処することが必要であると考えます。  一方、議会の役割もますます重要となると考えております。言うまでもなく、議会には、住民を代表して執行機関を監視し政策を立案するとともに、団体意思を決定していく役割があると認識しておりますが、新たな地方分権の時代に対応するため、今後ますます議会の機能強化を図らなければならないと考えております。  さきの議会において、我々は、議員提案による「中山間地域活性化基本条例」を制定し、本県の最重要課題として位置づけられている中山間地域対策の具体的な施策の推進の方向を県民の皆様にお示しすることができましたが、今後も自民党議員連盟として県政の主要課題に積極的に取り組み、県民の皆様の期待にこたえ得るよう積極的な政策提言を行ってまいりたいと考えております。  このように、新たな地方分権の時代を迎えて今後の県政運営はこれまでとは異なった新たな視点での取り組みも必要になるのではないかと思います。知事の四期目の県政に取り組まれる姿勢については、さきの施政方針において考えを明らかにされたところでありますが、新たな地方分権の時代に向けてどのような決意を持って対応されるのか、また、今後四年間の県政運営の基本姿勢について、いま一度知事の御所見をお聞かせいただきたいと思います。  次に、財政問題についてであります。  今、国及び地方の財政は、長引く景気の低迷と相次ぐ経済対策の実施などにより、いずれも非常に厳しい運営を余儀なくされております。  現在、地方債残高と交付税特別会計借入金を含む地方財政の借入金は、平成十一年度末で約百七十六兆円が見込まれ、国債残高も約三百二十七兆円にもなるなど危機的な状況にあります。このような巨額な借入金は、地方公共団体の財政運営を圧迫し、諸施策の実施を制約しかねない状況であり、地方の一般財源の充実強化により地方財政の健全化を図ることが急務であります。  本県では、景気対策はもとより、本年三月にオープンした県立美術館や女性総合センター「あすてらす」などの長期計画や中期計画に盛り込まれた数々のプロジェクトが次々に実現するとともに、県立大学、海洋型ミュージアム、そしてソフトビジネスパークなど完成を間近にしたものも多く、豊かな県民生活に必要な社会資本も着実に充実しております。
     しかしながら、先ほど申しましたように、国・地方とも引き続き極めて厳しい財政運営が予想されるところであります。二十一世紀の県勢発展のためには、今後、高速道路網の整備、中山間地域の振興、少子・高齢化対策、環境対策など今後も積極的に取り組まなければならない課題も多く残っております。  また、これまでの経済対策や大規模プロジェクトの実施などにより、多額の発行をしてきた県債の本格的な償還が始まるなど、今後の財政運営を心配する声も聞こえてまいります。  そこでお尋ねいたしますが、知事は、今後の本県の財政見通しをどのように考え、どのような財政運営を行おうとされているのか、所見を伺います。また、さきに述べたように、今国会において地方分権一括法案が成立する見通しでありますが、地方分権を実現する上で極めて重要な地方財源の問題に関し、知事はどのような認識を持ち、どのような働きかけをしていくのか、知事は、このたび中国知事会の会長に就任される予定と聞いておりますが、その立場も含め、知事の所見をお聞かせ願います。  次に、市町村の合併の推進についてであります。  現在、本県の市町村数は五十九もあります。それぞれの市町村にはそれぞれの個性があり、地域の特性を生かした立派な市町村運営がなされているところであります。しかし、人口規模や面積並びに市町村の体制や財政力には大きな格差が生じています。一方、近年、自動車を中心とした交通網の発達により時間距離が短縮し、住民の日常生活や経済活動の範囲が大きく広がってまいりました。さらに、高度情報化の進展、国際化の進展、環境問題への関心の高まりなど住民の行政需要はますます複雑・多様化するとともに、高度化、専門化し、市町村の行政サービスに新しい展開が求められております。  このような課題に的確に対応していくためには、もはや現在の市町村の枠組みでは対応し切れないのではないかと考えております。  国においても、来るべき地方分権の時代に備えるためには、市町村の合併は避けて通ることのできない課題として認識し、合併特例法の改正により市町村合併の動きを加速することとされております。  県においても、今後、市町村や住民にとってよりわかりやすい情報として、例えば一定の人口規模や市町村ごとの結びつきなどを要素とした合併パターンを示していく必要があるのではないかと考えております。また、我々自民党議員連盟は、あす三十日に地方分権の推進と市町村の合併を視野に入れた広域行政の推進を図るため議員連盟を設立する準備を進めているところであり、この活動を通して市町村合併の議論を深め、住民の期待にこたえ得る地方自治の確立に寄与していきたいと考えているところであります。  そこでお尋ねいたします。市町村の合併は、あくまで住民の合意に基づき、自主的に進められるものではありますが、知事は、市町村合併についてどのようにお考えですか、また県民に対し、市町村合併についてどのように働きかけていくのかお聞かせを願います。さらに、県内において合併に向けての具体的な動きはどのようなものがあるかお聞かせを願います。  次に、過疎法の失効についてであります。  過疎地域活性化特別措置法は、平成二年から十年間の時限立法であり、平成十一年度末の失効の時期を間近に控えております。本県では、三十八町村が過疎団体として指定を受けているところでありますが、脆弱な財政基盤を過疎法によるさまざまな優遇措置によって支えられ、これまで社会生活基盤の整備を初めとするさまざまな活性化施策を展開してきたところであります。  しかしながら、過疎地域は依然として多くの課題を抱えており、特に近年では少子・高齢化のあおりを受けて、より深刻な状況となっているところであります。まさに過疎法の存続は、本県の多くの町村にとって死活問題であります。また、国土保全を重視した制度の充実、農林業就労対策の支援、道路維持事業への適用など、よりきめ細やかな対応も必要となってくると思います。  一方、さきの統一地方選挙において、大都市圏の自治体から、都市は地方に搾取されているという見当違いの発言が島根県を名指ししてなされました。澄田知事はこの発言に対し、東京や大阪府などは自分のところは大丈夫だから、税収が乏しい県の分も任せてくれというぐらいの気概を持ってほしいと痛烈に批判をされたところでありますが、私も全く同感であります。しかし、政府及び自民党でなされている次期対策の検討に当たっては、大都市側のこうした意見にも配慮し、過疎地域にもっと財源をというこれまでの論法は必ずしも通用しないという考え方も出ていると聞いております。新たな法制度の必要性についてどのようにお考えか、また、今後の過疎対策に関する新たな視点についてどのようにお考えか、知事の所見を伺います。さらに、国における検討段階において、現行の過疎法の制度から後退しないよう求めていくことが必要と考えますが、具体的にどのような主張を行い、運動を展開するのかお聞かせを願います。  次に、県立大学の開学についてであります。  現在、我が国の大学を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあります。少子化に伴う志願者数減少で、今後、大学冬の時代の到来が予想されています。本県の厳しい財政状況とも相まって、新たな大学運営は極めて厳しい状況にあると言わざるを得ないところであります。  そこでお尋ねいたしますが、まず、県立大学はどのような理念に基づいて運営しようとしているのか、大学の経営見通しも含め、知事のお考えをお聞かせ願います。また、我が国の国際政治学の重鎮である宇野重昭氏を学長に迎えられ、魅力ある大学づくりに腐心されているところでありますが、学生が魅力を感じる大学にしていくための具体的な方策は何かお尋ねいたします。さらに、これは極めて現実的な問題でありますが、この大学で学んだ卒業生の就職先はどのように想定しているのかお聞かせをいただきます。  一方、この大学においては、北東アジア地域の研究を進めることとされておりますが、このたび設立されようとしている北東アジア地域学術交流財団は、県立大学との関係でどのような役割を担うのかお聞かせ願います。  次に、西暦二〇〇〇年問題についてであります。  西暦二〇〇〇年問題は、コンピュータープログラムが西暦二〇〇〇年以降の日付に対応していない場合、システムが正常に機能しないということであり、生活や企業活動のあらゆる箇所でコンピューターが使用されている現代では、その被害はコンピューターシステムの問題にとどまらず、社会のあらゆる場面で連鎖的に拡大し、国民生活と企業等の活動に大きな影響を与えるだけではなく、社会的な混乱を起こしかねない重大な問題であります。  多くの中小企業など小規模な団体においては、その対応のおくれが指摘されているばかりでなく、二〇〇〇年問題の重要性すら理解されていないという実態もあると言われております。  二〇〇〇年問題は、プログラムの修正作業さえ完全に終了していれば回避できる問題でありますが、この問題は一般に認識されるのが遅く、また、誤作動も起こす埋め込みチップは全世界で数百億と言われており、二〇〇〇年までに完全な対策を講じることはもはや不可能と言われております。このため、不測の事態を想定した危機管理計画の策定と模擬テストの実施も必要であると言われております。  そこでお尋ねいたします。県及び市町村と県内の中小企業におけるプログラムの修正作業等の現在の対応の状況と二〇〇〇年までの完了の見込みについてお聞かせ願います。また、危機管理計画の策定と模擬テストの実施の状況についてもお聞かせ願います。さらに、現在の対応の状況から見て、県内の企業活動や県民生活における二〇〇〇年問題の影響がどの程度予想されるかお尋ねいたします。  次に、中山間地域対策であります。  本県の中山間地域は県土の大部分を占めており、地域住民の生活の場として重要な位置を占めているのみならず、国土保全機能や環境保全機能など県民生活を営む上で多面的かつ重要な機能を担っているところであります。しかしながら、中山間地域は人口の著しい減少が続き、少子・高齢化の進行とも相まって、地域活力の低下が懸念されているところであります。  このような極めて深刻な事態に対応するため、二月県議会において我々は中山間地域活性化基本条例を制定したところであります。今後、県においては、中山間地域対策を県政の最重要課題として位置づけ、この条例の精神を踏まえた展開がなされるものと考えておりますが、中山間地域対策に取り組む知事の基本的なお考えをお聞かせ願います。  次に、ガイドライン関連法についてであります。  先ごろ、いわゆるガイドライン関連法が国会において成立いたしました。この法律が成立したといっても地方にすぐ影響が出てくるわけではありませんが、周辺事態の際には、地方公共団体の長に対し必要な協力を求めることができるとされております。  先ごろ石見空港に米軍機が緊急着陸し、県民に大きな不安を与えたところでありますが、知事は、直ちに厳重な抗議をされるとともに、原因究明と再発防止の申し入れをされたと聞いております。まさに周辺事態になれば民間利用の空港でこういった事態が想定されるわけであります。  そこでお尋ねいたしますが、協力要請の内容について国からはどのような説明を受けているのかお聞かせ願います。また、地方公共団体が協力すべき事項にはどんなことが想定され、協力した場合、県民生活にはどのような影響が出るのかお尋ねをいたします。  次に、斐伊川・神戸川治水対策についてであります。  斐伊川・神戸川治水対策は、斐伊川と神戸川の上流部にダムを建設し、中流部には斐伊川から神戸川を経て大社湾に至る放水路を建設し、下流部の大橋川を改修するものであります。いわゆる上、中、下流の三点セットの改修を行うことにより、過去に幾たびも厳しい洪水はんらんに見舞われてきた地域の災害を抜本的に防止する壮大な治水対策であります。  既に基本構想を発表されてから三十年が経過し、上流部及び中流部の事業については用地の取得もほぼ完了し、着々と整備が進んでいるところであります。しかしながら、下流部の大橋川の整備については、いまだ測量調査も進めることができない状況であり、工事着手の見通しが全く立っていない状況にあります。しかし、この治水対策で最も大きな利益を享受する地域は、宍道湖並びに大橋川流域の地域であり、大橋川の改修が進まなければ全体の治水対策が十分な効果を発揮できないものであります。  大橋川改修に当たっては、地元関係市町村が災害の脅威から地域を守るために強い熱意を持って地域住民の合意形成に当たるべきと考えますが、地元関係市町村は大橋川の改修に対しどのような理解をしているのかお聞かせ願います。また、大橋川改修の事業着手に当たっては、鳥取県側との協議を得ることが必要となっていますが、今後鳥取県など関係団体に対し理解を得るためにはどのような働きかけをしていくのかお聞かせを願います。  次に、国際チャーター便の助成についてであります。  今、県内では、環日本海沿岸の諸国を中心に、官・民を問わず国際交流が積極的に展開されているところであります。本県では、平成元年十月に結んだ韓国慶尚北道との姉妹提携を初めとして、現在、中国寧夏回族自治区と友好提携を、中国吉林省と友好交流に関する覚書を、ロシア連邦沿海地方とは友好交流に関する覚書が結ばれているところであり、これらの国々との相互訪問が頻繁に行われるとともに、外国人研修生や留学生の受け入れ、外国人観光客の入り込みと本県からの国外への出国なども、いずれも年々増加傾向にあります。  このような国際交流の進展を背景に、県は韓国との定期国際航空路線の開設に向けて努力されてきたところでありますが、現在のところ実現には至っておりません。しかしながら、交流の流れはとまることなく現在も着実に進んでおり、県は国際チャーター便の運航により、県民の利便の向上を図られるとともに、より低廉な旅行を提供されているところであります。  また、このうち一部のチャーター便に対しては、県の助成が行われているところでありますが、そこでお尋ねをいたしたいと思います。まず、チャーター便に対する助成は韓国のみとなっておりますが、韓国のみを対象とする理由は何かお聞かせを願います。  また、中国は本県と二つの交流協定が結ばれているほか、先般も知事が北京大学国際関係学院と交流協定を結ばれ、今後留学生等の交流が活発に進められると考えられるほか、多くの人口と巨大な市場を抱え、経済的な交流の発展も今後大いに期待できる重要な国であります。中国に対するチャーター便への助成についてどう考えているのかお尋ねをいたします。  次に、島根原発三号機増設問題であります。  島根原発三号機増設問題については、県議会島根原子力発電所対策特別委員会で調査・審議が進められ、昨年十二月議会において地域振興について国から最大限の支援を得られるよう、県として最善の努力を払うことを前提とした上で増設の必要性は認めざるを得ないとの結論に達したところであります。また、知事から諮問を受けた島根県原子力発電調査委員会からも、同じく昨年十二月に増設を可とする答申がなされております。  現在、調査委員会の答申を受けて、県では地元三市町に対して意見照会を行うとともに、広域的な地域振興計画の策定作業を地元三市町と精力的に進められているところであります。  まず、「県民の意見を聴く会」についてであります。  県では、三号機増設に対する知事判断の参考とするため、五月から六月にかけて三回にわたって「県民の意見を聴く会」を開催されました。特に一回目については、知事みずから出席されたそうですが、その際の感想と知事判断にどのように役立てていかれるのか、知事の考えを伺います。  次に、広域的地域振興計画について、現在のところ計画を取りまとめるところまでには至っていないということでありますが、二月議会以降の作業の進捗状況、とりわけ国との調整状況についてお聞かせ願います。  次に、三号機増設の是非についてでありますが、先般、県は六月議会中に知事判断を行わないとの方針を明らかにされました。広域的地域振興計画については、現在のところ取りまとめ作業中といった状況であり、また、地元三市町の回答が得られていないことからも、六月議会中に知事判断を行える状況に至っていないことは理解できます。しかしながら、既に述べたように昨年十二月には、県議会、島根県原子力発電調査委員会ともに一定の結論を出していること、また、先般二十四日には資源エネルギー庁の幹部が来県され、県及び地元三市町に対し、国の原子力政策と地域振興で関係省庁に働きかけることを説明された上で三号機増設への協力要請をされたことなどを考えますと、知事判断の時期について何らかの目標を設定し、地域振興等の残された課題について最善の結果が得られるよう努力していくことが必要ではないかと考えます。知事判断に至るまでのプロセス及び知事判断の時期についてお聞かせを願います。  次に、社会福祉事業団の見直しについてであります。  島根県社会福祉事業団は、障害者施設や特別養護老人ホームなど、県立の社会福祉施設の受託経営を主な業務として運営されているところでありますが、県議会決算特別委員会でたびたび指摘しているとおり、多額の県費継ぎ足しが恒常的に行われており、その経営の見直しは焦眉の急の問題であります。  そもそも社会福祉事業団は、社会福祉サービスの先導的な役割を果たすため、公設の社会福祉施設の運営を行うことを目的に設立されたものでありますが、特に特別養護老人ホームについては、民間施設が着実に整備されている今日、県として老人福祉サービスの提供にどこまで関与していくのか検討すべき時期に来ていると考えます。  折しも、平成十二年度から導入が予定されている介護保険制度のもとでの特別養護老人ホームの運営には、従来にも増して経営感覚や施設運営の効率性が求められており、民営化への移行も含めた抜本的な改革を進めていくことが必要であると考えます。  そこでお尋ねをいたします。まず、社会福祉事業団の見直しについて、知事はどのようにお考えか、お聞かせを願います。また、特別養護老人ホームの月照園については廃止の方向で検討されているようですが、小山園を初めとするその他の特別養護老人ホームの運営について、今後どのような見直しを行い、経営の改善を図るのか、また、見直しに当たっての課題は何か、お聞かせ願います。  次に、食料・農業・農村基本法案についてであります。  昭和三十六年に制定された農業基本法は、農業の近代化と他産業並みの所得実現を目標に定め、今日までの戦後農政の憲法として位置づけられてきたものであります。その成果として、農業生産基盤や農村の生活基盤の整備が進み評価すべき点も多くありますが、一方で農村の過疎化、高齢化の進行や農業における市場原理の導入、また、国際化の進展に伴う市場開放など農業・農村をめぐる環境はますます厳しい状況を余儀なくされているところであります。  このような現状を踏まえ、政府は、食料・農業・農村基本法案をこのたび国会に提出したところでありますが、まず、現行基本法農政の総括とこのたび成立が予定されている食料・農業・農村基本法案に対する知事の所見をお聞かせ願います。  次に、中山間地域等への直接支払いについてであります。  新基本法案では、農業・農村の持つ経済機能のみならず、環境・国土保全や地域文化の継承等多面的機能が明確に位置づけられ、中山間地域等に対する直接支払いの制度が平成十二年度の導入を目標に検討されていることは大いに評価できるものであります。  私が前々から申し上げているように、この直接支払いの制度を島根県としてきちんと受けとめ、島根県にふさわしいデカップリング対策として取り組んでいくことが重要であると考えます。知事は、本県においてこの制度をどのように活用されていくのかお聞かせ願います。  また、本県のみならず、全国の農業者が警戒する点が、すべての作物に市場原理が導入され、WTO下の交渉によって内外価格差の縮小が図られ、コスト削減がままならないまま、価格の引き下げが求められてくるということであります。新基本法案においては、経営安定のための必要な施策を講ずるとされておりますが、今後、生産者の不安が払拭できるよう注視していく必要があると考えております。  そこで、市場原理導入の影響を緩和するため、本県として独自の施策を構築していくことが必要と考えますが、所見をお聞かせ願います。  次に、消費者重視の食料政策の展開、すなわち食料の安全性確保と品質の改善についてでありますが、本県においても、近年特に消費者の安全性にかかわる関心が高まっており、農業者の中にもこれにこたえる農法の採用や供給方法に取り組む動きも出ているところであります。  そこで、本県としての食品の安全性確保と安全良質な農産物の生産対策についての考え方及び具体的な施策についてお聞かせ願います。  次に、フラワーパークの整備についてであります。  本県における花の生産は、生産者、生産額、栽培面積ともに年々増加傾向にあり、本県にとって極めて重要な作目に成長してきているところであります。バブル景気の崩壊によって、価格的には落ちついているものの、最近のガーデニングブームに象徴されるように、豊かで潤いのある生活を求める国民が美しい花で生活空間を飾ることは、ごく日常のこととして定着してきたところであります。  このような花をめぐる状況の中で、花生産農家の技術指導や新規就農者の研修の場とするとともに、新品種や新技術の調査研究などを行い、本県の花の生産の振興を図るため、県においては、平成十年に花振興センターを出雲市に開設され、花振興の拠点として整備されたところであります。  一方、多くの県民に花の魅力を広めるため、同じく出雲市にフラワーパークの整備が予定されているところでありますが、先ごろこの基本構想が取りまとめられたと聞いております。  また、知事が先般五月に中国雲南省昆明市を訪問され、世界園芸博覧会を視察された状況について、全員協議会においてお伺いしたところでありますが、その際、今回の視察を参考にして、フラワーパークに薬草園等の展示園を検討したいとの方針を示されました。  そこでお尋ねいたします。まず、フラワーパーク整備の基本的考え方ですが、私は、単に県民に親しまれる公園に終わるのではなく、本県の花の生産振興や花を活用したまちづくりにも生かすことができるような工夫をすることが重要であると考えております。知事のお考えをお聞かせ願います。  次に、花振興センターとの連携ですが、例えばフラワーパークの展示園の一部に県民に開放してガーデニングの実践の場としたり、新品種の導入を意識した花の展示をするなど、花振興センターとの一体的な連携のもとにフラワーパークの運営をするべきと考えていますが、お考えをお聞かせください。  次に、景気対策についてであります。  我が国の景気低迷は長らく続き、政府の幾たびかの経済対策にもかかわらず、完全失業率は過去最高水準で推移し、企業の設備過剰、不良債権処理などの問題は一向に進展しません。今年、一-三月期の国内総生産は前期比一・九%、年率換算では七・九%の伸びを示し六期ぶりにプラス成長に転じ明るい兆しが幾らかは見えるものの、日本経済の行方はまだまだ不透明なままであります。しかし、政府・与党はこの機会を逃すことなく、さらなる景気浮揚を図るため、今国会の会期を大幅に延長され、緊急雇用対策と産業競争力強化対策を策定して補正予算の編成と関係法律等の整備を図ることとされています。  そこでお尋ねいたしますが、まず、本県の景気について、知事はどのように認識されているのかお聞かせ願います。また、本県の雇用の状況でありますが、現在どのような状況にあるか、その実情をお聞かせ願います。  さらに、国の緊急雇用対策と産業競争力強化対策についてであります。本県の景気と雇用の状況を踏まえて、この対策に対し、どのような効果を期待されているのかお聞かせ願います。  次に、新産業創造に向けての県の対応についてであります。  本県産業が活力を維持し発展していくためには、技術力を強化し、地域産業が高度化していくことはもとより、新産業の創造を図っていくことが極めて重要であります。こうした中、県では、先般「科学技術振興指針」を定められ、科学技術の振興を戦略的かつ総合的に推進しながら、本県産業の振興を図ることとされました。  そこでお尋ねいたしますが、本県における新産業の創造に向けて、知事の基本的な考え方をお聞かせ願います。また、科学技術振興指針の具体的な推進方策についてもお伺いをしておきます。  次に、しまね産業振興財団についてであります。  この四月、しまね技術振興協会と中小企業振興公社とを統合した「しまね産業振興財団」が設立され、県内企業の経営支援、技術開発などに対する総合的な支援や産・学・官の共同研究等の調整を行うなど、本県の産業振興を担う機関として誕生いたしました。県では、新事業創出促進法に基づいて基本構想を定め、新財団を中核的支援機関に認定されたところでありますが、基本構想とその展開方針についてお聞かせ願います。また、本県産業の新たな展開を促進するためにも新財団の果たすべき役割は極めて重要であると考えますが、新財団の行う支援事業について具体的にお聞かせ願います。  次に、新学習指導要領の実施についてであります。  今、教育現場は不登校問題、いじめや自殺の問題などを初め、最近では授業が成り立たない学級崩壊なども問題とされるようになり、受験戦争の弊害も含めて、一日も早い教育改革が求められているところであります。  このような中、文部省は完全学校週五日制導入に合わせ、二〇〇二年から新学習指導要領を制定し、総合的な学習時間の新設などを実施することとされたところでありますが、先般、来年度からこのうちの一部を前倒しする移行措置が発表されたところであります。  そこでお尋ねいたします。まず、総合的な学習時間の導入により学校教育はどのように変わるのかお伺いをいたします。  次に、指導要領は変わっても高校や大学の受験システムが変わっていかないと教育システムは変わらないという指摘もありますが、これについてどう考えるのかお聞かせ願います。さらに、早速来年度から先行実施されるわけですが、本県における新学習指導要領の実施にかかわる準備の状況はどうですか、伺います。  次に、国旗・国歌についてであります。  日の丸と君が代は国旗・国歌として広く県民に浸透し、さまざまな行事やオリンピックなど全世界が集う祭典などにおいても一般的に使用され、多くの国民は違和感なくこれを受け入れているところであります。一方では、断固として日の丸と君が代を受け入れないという立場の方がおられることは承知いたしております。一般的には多くの国民に認知されていると考えるのが普通ではないかと思います。  折しも国旗・国歌法案が今国会に提出されており、今後、国会の場で活発な議論が展開されることと思いますが、一部に慎重な立場の方もおられることを思いますと、十分な審議をいただき、国民が納得の上で法制化されることを望むものであります。  そこでお尋ねいたしますが、本県の公立の小・中・高等学校においては、国旗・国歌の実施の状況はいかがか、また、学校現場において混乱はなかったか、お聞かせを願います。  次に、新学習指導要領でも小学校において君が代教育を徹底するということでありますが、今後、公立学校に対しどのような指導をしていくのかお聞かせを願います。  次に、県立浜山公園陸上競技場の整備計画と十六・高校総体主会場の選考決定についてであります。  平成十六年、本県を主会場とした全国高校総合体育大会が開催されることになっております。当初の計画では、六月補正予算において、浜山陸上競技場を引き続き第一種公認競技場としての認定が受けられるよう改修され、十六・高校総体の主会場として整備される方針であると理解しておりましたが、六月補正予算の計上を断念されたばかりか、十六・高校総体の主会場についてもいまだ明確な判断をなされておりません。  今後、浜山公園陸上競技場の整備計画と十六・高校総体の主会場についていつごろまでに決定されるのか知事のお考えをお尋ねいたします。  最後に、警察管理についてであります。  最近の治安状況を見ますと、外国人による組織犯罪、少年による凶悪事件やインターネットを悪用したハイテク犯罪など新たな治安への脅威の兆しがうかがえるとともに、県内でも相次ぐ集団密航事件や覚せい剤の大量密輸入事件、あるいは身代金目的誘拐事件が発生するなど、従来余り見られなかった犯罪が発生し、治安情勢は一段と厳しさを増しつつあると認識しております。  こうした厳しい情勢下において、千家公安委員長には三カ年にわたり県警察の管理に携われたわけでありますが、公安委員長に在任されての御感想をお聞かせ願います。  以上で質問を終わりますが、まさに今、二十一世紀の扉が開こうとしているところであります。知事を初め執行部の皆様と我々議会とは適度な緊張関係を保ちながらも県民生活の向上のために元気を出して一体となって県政の運営に当たり、新たな世紀に向けてともに歩んでいかなければならないと考えております。どうぞよろしくお願いをいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) 3: ◯議長飯塚普彬君) 澄田知事。    〔澄田知事登壇〕 4: ◯知事澄田信義君) 佐々木議員の御質問にお答えをいたします。  まず、四期目の県政を担当するに当たって、新たな地方分権の時代に向けた私の決意と今後の県政運営の基本姿勢についてであります。  地方分権の時代を迎え、地方の自主性、自律性が高まってまいります。行政のみならず、住民や企業を含めた地域全体の力量が地域の将来の姿を大きく左右する時代となってまいります。このため、行政の政策立案能力への期待が高まってくるとともに、これまでに増して地域の知恵と工夫を地域づくりに生かしていく努力が求められます。  私は、最小の経費で最大の効果を上げるという行政の原点に立ち返るとともに、県民本位、地域主体という県政運営の基本理念を改めて組織全体に徹底いたします。また、県民の皆様や地域の声に十分に耳を傾け、英知を結集して県政を推進してまいる決意であります。  次に、今後の県政運営に当たりましては、「住みよい島根」、「住みたい島根」の実現を目指し、これまでに完成を見た多くのプロジェクトの成果や本県の豊かな資源を最大限に生かし、地域の発展に結びつけていくという基本姿勢をとりたいと考えております。このため、あすの地域を、たくましく担っていく創造性豊かな人づくりを最重点に据え、恵まれた環境を大切に守りつつ、古代出雲文化、石見銀山、隠岐の自然など、豊富な地域資源を活用した地域づくりを進めてまいります。また、陸・海・空、三位一体となった交通網の整備や新産業の創出、医療・福祉提供体制の充実など、基盤づくりに積極的に取り組み、新しい時代に光り輝く島根の実現に向け全力を傾注してまいる決意であります。
     次に、財政問題についての御質問にお答えいたします。  今日、地方財政は、景気の低迷に伴う地方税の減収による財源不足や経済対策の実施などにより多額の発行をしてきた地方債の残高が巨額になるなど極めて厳しい状況にあります。本県においても、近年の経済対策の実施や地方全体の財源不足を補うための地方財政対策の一環として多額の発行をしてきた県債の残高が平成十一年度末には八千億円を超え、その償還に当たる公債費は年々増加し、平成十四年度には一千億円に達する見込みであります。しかし、これまで地方交付税措置のある起債の活用に努めたことにより、その約六割が交付税措置されると見込んでおります。  また、財政調整基金など三基金の残高も平成十一年度末には一千億円を下回る見込みであり、基金の取り崩しによる財政運営にも限界があることから、早急に単年度の収支を均衡させる必要があると考えております。  今後の財政運営に当たっては、より一層各部局の連携を強化し、歳出の年度間調整、事業の思い切った取捨選択など財源の効率的・効果的な配分に努める一方、既存事業の徹底した見直しや経費の節減はもとより、新たな予算編成手法に基づき、年度ごとに特定テーマを設定するなど全庁を挙げた不断の見直しに努めてまいる考えであります。  次に、地方分権に伴う地方財源の問題についてお答えをいたします。  地方分権の進展を図り、地方公共団体が自主性・自立性を高め、社会経済情勢の変化や多様化・増大する行政需要に的確に対応するためには、地方一般財源の充実確保を図ることが重要であると考えております。このため、まず、地方税源の大宗であります地方税については、国と地方公共団体の役割分担を踏まえ、消費税や所得税などの税源の国から地方への移譲などにより拡充強化する必要があります。また、地方公共団体共有の固有財源である地方交付税につきましては、交付税率の引き上げなどにより、その総額の安定的な確保を図るとともに、財政調整機能の一層の強化が必要であると認識しております。  この地方税財源の充実確保については、今後、国において本格的に論議されると聞いておりますので、地方団体の意見を十分尊重し、適切かつ十分な財政措置がなされるよう、全国知事会を初め関係地方団体と連携しながら国に対して積極的に働きかけてまいる考えであります。  次に、市町村合併についてお答えをいたします。  地方分権がまさに実行の段階を迎えようとしている今日、住民に最も身近な地方公共団体である市町村につきましては、新しい時代に対応した行政体制の整備が大きな課題となっております。  市町村合併は、こうした地方分権の時代にふさわしい体制を整備していく上で、また、広域化、高度化する行政需要、さらには国・地方を通じた厳しい財政事情に的確に対応していく上で有力な手法であると認識しております。  合併は、住民合意のもと、自主的な判断に基づき進められるべきものであることから、県といたしましては、これまで以上に住民の間において活発な議論が行われるよう、合併についてよりわかりやすい情報を提供することが重要であると考えております。  現在、広域行政推進検討委員会において、合併を含む広域行政の推進方策などについて幅広い検討をお願いしているところであり、その議論の成果を今後の施策に反映してまいりたいと考えております。  次に、過疎法の失効についてであります。  本県の最重要課題の一つである過疎地域の活性化対策につきましては、現行の過疎法を含む三次にわたる特別立法のもと、さまざまな優遇制度によって支えられ、本県でも道路を初めとする社会生活基盤の整備は着実にその成果を上げてきたところであります。  一方、人口減少そのものは次第に緩やかにはなっているものの、少子化、高齢化の進展により過疎地域の活力は日に日に失われつつあるのが現状であります。こうした中で、現行の過疎法は平成十一年度末で期限切れとなりますが、高齢化や若者定住に向けた対策など引き続き取り組むべき課題は多く、また、近年顕著になってまいりました都市住民の地方回帰志向など新しいライフスタイルを実現する生活環境を整備する観点からも、過疎地域対策の継続は不可欠であると考えております。また、厳しい財政運営を迫られている過疎町村からも制度の継続を強く求める声が寄せられております。  県議会におかれましても、さきの定例会において、新たな立法措置による過疎地域対策の継続を求める決議を採択され、政府並びに衆参両議院に提出いただいたところであり、力強い御支援に対し改めてここに感謝申し上げる次第であります。  御指摘のように、都市対地方という構図で税財源の移譲の問題が議論されておりますが、農地や山林が持つ公益的機能を保全し、食料を供給し、人材を送り出している農山漁村地域と都市的地域は互いに補完し合い、共存するパートナーであると私は考えております。  今後、新規立法について関係機関での論議が活発化する中で、島根県の実情が反映されるよう、さらに積極的な働きかけを行うこととしております。  私としましては、現行の過疎対策事業債並みの財政措置の継続を初め、各種支援施策の拡充強化が図られ、県土の均衡ある発展の推進力となりますよう、全国に先駆けて過疎、高齢化が進む島根県の知事として、また、全国過疎地域活性化連盟副会長として、新規立法に向けて全力を傾注してまいりたいと考えております。  次に、県立大学の運営理念についてお答えをいたします。  県立大学における教育研究の基本理念といたしましては、諸科学総合と社会における実践を掲げ、世界史的な視野と学際的・総合的な知識を備え、主体的に課題を発見・整理し、適切な解決策を提示できる人材の養成を行うこととしております。  また、大学運営方針といたしましては、「地域と共に歩む大学」を掲げ、単なる開かれた大学ではなく、地域との交流や触れ合いを深めることによって互いの発展を目指していきたいと考えております。  国際的な評価に耐え得る大学の特色といたしましては、本県の歴史的、地理的な条件を生かして、北東アジア地域を重視することとし、この地域に関する言語や地域研究をカリキュラムの中に取り入れたほか、北東アジア地域研究センターや北東アジア地域学術交流財団を設立するなど、島根県立大学がこの地域の発展のための知的な拠点となるとともに、交流の拠点となることを目指しております。  この大学の設置によりまして、既存の県立短期大学とあわせ、高等教育機関の運営経費が増嵩いたしますが、十三年かけて積み立てた教育文化振興基金を活用するなど、堅実な大学経営に努めてまいりたいと考えております。今後とも、大学の施設や知的資産を地域へ開放し、地域に愛され、活用される大学にしたいと考えております。  次に、中山間地域対策についてであります。  ことし三月、全国で初めて議員提案により「島根県中山間地域活性化基本条例」が定められ、総合的な対策に取り組む基盤がより一層整ったところであります。この条例の趣旨を踏まえ、私は、中山間地域対策については、本県が全国を先導するのだという気概を持って取り組んでまいりたいと考えております。  具体的には、昨年四月に設置した中山間地域研究センターの役割を強化し、中国山地全体も視野に入れながら、全国に情報発信できるような実践的な調査・研究を行ってまいります。  また、この地域が抱える課題が複雑・多岐にわたっていることから、中山間地域対策本部の機能強化を図りながら、実施計画となる中山間地域活性化計画を本年度中に策定し、実効性の高い施策を推進してまいります。  特に、買い物、通院など日常生活に不可欠な仕組みづくりや通学バスの多目的利用を初めとする地域住民の交通手段の確保に向けた取り組みなど、身近できめ細やかな施策を地域の目線に立って積極的に推進してまいりたいと考えております。  次に、ガイドライン関連法に関するお尋ねにお答えをいたします。  周辺事態安全確保法により地方公共団体へどういう協力要請がなされるかにつきましては、去る三月二十六日、政府説明会が開催され、その後、全国知事会に対し協力項目が例示されております。それによりますと、政府が地方公共団体に協力を求め、または依頼する項目例として、地方公共団体の長が管理する港湾、空港施設の使用、建物・設備等の安全を確保するための許認可、また、人員等の輸送、給水、公立医療機関への患者の受け入れ、物品施設等の貸与の項目が挙げられております。  なお、協力の内容や手続等について一層具体的な説明が行われるよう、全国知事会を通じて政府に対し要請を行っているところであります。  次に、県民生活に対する影響についてでありますが、協力要請の具体的内容や期間等により、その程度は大きく異なるものと考えられます。協力の具体的内容や手続等が十分に明らかではない現段階で確定的に申し上げることは困難でありますが、例えば長期にわたる空港施設の使用を想定すれば、民間航空機離発着の制限も考えられ、大きな影響も否定できないところであります。  また、あってはならないことではありますが、万一にも周辺事態のようなことが生じ、具体的な協力要請がなされるようなことがあった場合、県としてどのような対応をすべきかは、国からの協力要請の具体的な内容、期間など、また周辺事態の状況などにより、その対応は異なるため、協力要請の内容等に応じて、個々具体的に検討することになろうと考えております。  次に、斐伊川・神戸川治水対策についてお答えをいたします。  この事業は、県といたしまして昭和五十年に基本計画を発表以来、最重点施策と位置づけ、早期完成に鋭意取り組んできたところであります。  この事業の実施に当たっては、御指摘のように関係する市町村及び流域住民の理解と協力が不可欠であり、上流・中流・下流の関係者が一丸となっての取り組みがぜひ必要であります。  県内の地元関係市町村においては、この事業の趣旨・必要性について、おおむね理解を得ていると考えますが、今後さらに事業推進に向けて理解を深めていく必要があろうと考えております。  現在、斐伊川水系治水期成同盟会等におきまして事業促進に向けての活動も展開されておりますが、大橋川改修を円滑に進めるためには、関係市町村が一体となった協調的な取り組みが必要であり、県といたしましても、このような姿勢のもとに取り組んでまいりたいと考えております。  次に、鳥取県等関係団体に対する御質問でございますが、県といたしましては、これまであらゆる機会を通じて鳥取県との調整に努めております。特に本年四月には住民の生活を守るため、斐伊川・神戸川全体の治水計画が円滑に進められるよう、大橋川の測量・調査及び設計の着手に対する協力要請を行ったところでありますが、現時点ではまだ十分な理解が得られておりません。このため、県といたしましては、引き続き鳥取県に対し理解を求めると同時に、米子市など鳥取県側関係団体に対しましても理解を得られるよう最大限の努力をしてまいりたいと考えておりますので、県議会におかれましても御協力をよろしくお願いをいたします。  なお、建設省において、これまで鳥取県議会及び米子・境港両市議会や一般住民に対し、斐伊川・神戸川の治水計画の説明をするなど、本治水事業への理解を深めるための努力がなされているところでありますが、本県におきましても、建設省に対し大橋川改修の具体的な計画概要を明らかにしていただき、まちづくり計画との調整や地域や住民を含めた議論が可能となるよう要請してまいりたいと考えております。  次に、国際チャーター便の助成についてお答えをいたします。  国際チャーター便の助成の発端を申し上げますと、平成八年度から韓国との国際定期航空路線の開設に向けた取り組みの一環として、国際チャーター便の運航促進を図ることを目的とし、出雲空港発着便を対象として行ってまいったものであります。この結果、チャーター便が積極的に活用されることとなり、チャーター便支援制度は本県と韓国との間の文化・学術・経済・スポーツ等多岐にわたる交流の輪を広げていく効果をもたらしており、引き続きこの制度を存続させ、韓国との交流を深めたいと考えております。  また、こうした経緯を踏まえ、本年度からは出雲空港発着便に加え、石見空港を発着する韓国へのチャーター便についても補助を行えるよう制度を拡大したところであります。  今後は、韓国だけでなく、友好提携等を締結している中国との交流を促進する観点から、中国へのチャーター便に対する運航支援につきましても検討を行う必要があると考えております。  次に、三号機増設計画について、「県民の意見を聴く会」についてであります。  このたびの三号機増設の可否といった重大な判断をするに当たりましては、できるだけ多くの皆様の意見を聞くべきであるとの私の考えのもとに開催したものであり、県下三カ所で開催し、六十名の方々からさまざまな立場から貴重な御意見をいただきました。  内容的には、エネルギー需給、地球環境問題、原子炉の安全性、活断層問題、温排水の影響、あるいは電源立地と地域振興の関係など広範多岐にわたり、また長期的な視点に立ったもの、あるいは生活実感をもとにした御意見があり、大変有意義であったと思っております。そして賛否両論ある中で、判断に当たっての責任の重大さを痛感したところであります。  述べられた御意見につきましては、現在分野ごとに整理をしているところであり、県原子力発電調査委員会の答申や県議会特別委員会の報告にあわせ、今後の三号機増設の判断の参考にするとともに、監視体制や情報提供のあり方など今後の原子力行政に役立ててまいりたいと考えております。  次に、三号機増設計画の知事判断についてであります。  三号機増設計画につきましては、昨年十二月に県原子力発電調査委員会の答申をいただき、これを受けて県では地元三市町に対して意見照会をし、市町からの回答を待っている段階であります。また、県議会においては、本年三月、島根原子力発電所対策特別委員長の報告がなされているところであります。  現在、広域的地域振興計画について、国の支援を受けるため、県、三市町とともに関係省庁と協議を本格的に進めようとしているところであります。三市町においては、この地域振興計画のプロジェクトについての支援が見きわめられるなど増設の可否の判断条件が整えば県へ回答がいただけるものと考えております。  現時点では、国との協議が整うのにどのくらいの日時を要するか見通しがつきかねることから、具体的にいつの時点で判断するのか申し上げにくい状況にあります。ただ、昨年十二月に調査委員会から答申をいただいていること、県議会の特別委員長報告がなされていること、また、つい先日、通商産業省から来県され、エネルギー政策についての協力要請や地域振興についての地元への支援協力の約束があったことを踏まえますと、余り時間がたち過ぎてもいけないものと考えております。いずれにいたしましても、三市町からの回答、調査委員会の答申、県議会の意向などを踏まえ、総合的に判断したいと考えております。  次に、社会福祉事業団の見直しについてお答えをいたします。  社会福祉事業団は、県立社会福祉施設の受託運営を目的に設置され、その設立以来、先導的、先駆的な役割を果たしてきたものと認識しております。しかしながら、その後の措置権の移譲や民間施設の充実、さらには介護保険制度の実施などにより、県が果たすべき役割も大きく変わってきたところであります。現在、このような社会情勢の変化を踏まえて、社会福祉事業団のあり方について見直しを行っているところであります。特に、特別養護老人ホームの運営につきましては、介護保険制度が実施されることから、これに適合できるような形での見直しが必要であると考えております。  次に、現行の農業基本法農政の総括及び食料・農業・農村基本法案に対する所見についてであります。  昭和三十六年に現行基本法が制定されて以来、本県におきましても、生産性の向上などを通じた農業と他産業との格差是正を目指し、生産基盤・生活基盤の整備に合わせ産地づくりを進め、担い手農家の育成、集落営農の推進などの諸施策を展開してまいりました。その結果、御指摘のとおり、農業・農村における生産や生活の基盤は格段に向上し、本県は西日本有数の良質米産地としての地位を確立するとともに、しまね和牛、ブドウ、アムスメロン、西条柿などの産地が育成されたところであり、本県の農業・農村の発展に一定の成果があったものと考えております。  次に、新基本法案についてでありますが、農業・農村をめぐる状況の変化に対応して、食料の安定供給の確保、農業・農村の多面的機能の発揮、農業の持続的な発展、農村の振興を基本理念として提案されております。  中でも、私がかねがねあらゆる機会を通じて要望してまいりました中山間地域等における農業の生産条件に関する不利を補うための支援について、法案に明確に盛り込まれていることは、私といたしましても高く評価しているところであります。  次に、中山間地域等に対する直接支払制度の活用についてであります。  中山間地域等に対する直接支払制度については、平成十二年度実施に向け、現在、国が設置した中山間地域等直接支払制度検討会において、対象地域や対象者などについて検討されているところであります。  現時点では、制度の具体的内容が十分に把握できない状況ではありますが、本県の実情に即した形でこの制度を大いに活用して農業生産条件の不利を補うとともに、島根県中山間地域活性化基本条例に基づく中山間地域集落維持・活性化緊急対策事業を活用するなどして、中山間地域の農業・農村の活性化に努めてまいりたいと考えております。  次に、フラワーパーク整備の基本的な考え方についてであります。  フラワーパークにつきましては、多くの県民が花に触れ合い、花に学び、各種の体験を通じて、園芸や自然に興味を抱くような施設として整備することとしております。特に、出雲の国風土記を初めとする伝承等で伝えられている薬草を展示するなどして、島根らしい特徴を持ったフラワーパークとして整備したいと考えております。  御指摘のとおり、フラワーパークにつきましては、本県の花卉生産の中核である出雲地域における花卉の生産振興に大きく寄与するとともに、地域の各種施設との連携を図りながら、花を主体とした地域づくりの拠点としての役割も果たすような施設として整備することが重要であると考えております。  次に、フラワーパークの運営につきましては、花振興センターの供給する苗、研修指導機能などを活用しつつフラワーパーク内に設置する体験花壇において県民参加型の運営を行いたいと思います。  また、農業試験場、花振興センターなどにより開発された新品種をフラワーパークで展示、販売するなどのアンテナショップとしての機能も整備し、花振興センターとの一体的な連携を図ってまいりたいと考えております。  次に、景気対策についての御質問でございます。  まず、県内の景気の状況についてでありますが、設備投資や個人消費が引き続き低調に推移し、企業の生産動向も全体として低水準にとどまるなど依然として厳しい状態が続いていると認識しております。こうした中ではありますが、公共投資が経済対策の効果などから高水準で推移するとともに、住宅投資や企業の生産動向の一部に持ち直しの動きがあり、また、本県における景気動向指数にも改善が見られるなど下げどまりの兆しもうかがわれております。今後こうした動きが本格的なものになるよう願っているところであります。  次に、雇用の現状並びに国の緊急雇用対策と産業競争力強化対策に期待される効果についての御質問にお答えいたします。  本県の雇用状況は依然として求人がほぼ全産業で減少しており、一方、求職者は企業のリストラなどから非自発的離職者を中心に増加しております。このため、有効求人倍率は平成十一年四月で〇・七三倍と第二次オイルショック後の景気後退期の水準まで低下するなど厳しい状況にあります。こうした中で、政府においては緊急雇用対策及び産業競争力強化対策が策定されたところであります。  この対策には法改正を伴うものが多いため、国会の審議等を見守る必要がありますが、この対策が円滑に実施されれば雇用機会の増大とともに、新産業創出の環境が一層整備され、本県産業の活性化につながるものと期待しているところであります。  次に、新産業創造の基本的考え方についての御質問にお答えします。  県政推進に当たりまして、柱の一つである定住・交流の基盤づくりのためには、産業構造の変化に対応した若者にとって魅力ある創造的企業が多数創出され、本県産業が将来に向けて自立的に発展していくことが重要であります。このため、県といたしましては、島根大学等の高等教育機関やしまね産業振興財団を初めとする支援機関と産業界との連携を一層強化するとともに、このたびこの財団の事業費を増額し、企業に対する機動的、総合的な支援制度の拡充を図ったところであります。また、産業の高度化と新産業創造の拠点としてのソフトビジネスパークの整備を平成十三年オープンを目指して進めております。今後とも、これらを通じて積極的に県内産業の振興を図ってまいります。  次に、平成十六年全国高等学校総合体育大会の主会場に関する質問にお答えをいたします。  平成十六年に本県を中心に開催される若人のスポーツの祭典・全国高校総体を成功に導くためには、県内高校生一人一人の主体的な参加を初め、関係市町村・競技団体などの多くの方々の御理解と御協力を得ながら、県民挙げての大会となるよう取り組む必要があります。  この主会場につきましては、総合開会式と、それに引き続いて陸上競技を実施することから、県内外から多くの参加者を迎えるのにふさわしい環境であること、参加者の宿泊・輸送が円滑に行われることなどが大切であり、とりわけ陸上競技の迅速かつ適切な競技運営が行われるための施設等が整備されていることが必要であると考えております。このため、現在、県教育委員会におきまして、陸上競技の運営を担うこととなる競技団体や県高等学校体育連盟など関係団体と、その施設内容等について協議・検討を進めているところであります。  私といたしましては、県内開催種目の会場地選定など、今後のスケジュールを勘案すれば九月議会までには主会場を決定する必要があると考えております。  次に、県立浜山公園陸上競技場の整備計画についてでありますが、平成八年度に策定をいたしました県立浜山公園新基本計画を踏まえながら、今後できるだけ早く事業に着手できるよう、その具体的な整備計画を策定したいと考えております。 5: ◯議長飯塚普彬君) 原総務部長。    〔原総務部長登壇〕 6: ◯総務部長原正之君) 初めに、市町村合併に向けての具体的な動きについてでありますが、松江市、出雲市など数団体において合併への積極的な発言があったほか、玉湯町においても、先ごろ合併問題について住民を交えて議論する場を設ける旨の方針が提案されたところであります。  一方、民間においては、松江商工会議所など松江・八束地区の各種団体で組織された松江・八束市町村合併研究会や出雲商工会議所において市町村合併に向けた意識調査、先進地視察などの調査研究事業、シンポジウムなどの啓発事業が行われております。また、幾つかの青年会議所においても市町村合併等に関する研修が行われております。  なお、合併を含む広域行政全般に関しましては、ことし二月、松江市及び八束郡の各市町村長の間において、広域行政の研究と推進を図るため松江八束広域行政研究協議会の設立が合意されたほか、出雲市においても、今年度新たに広域行政専任スタッフが設けられております。  次に、学生が魅力を感じる大学づくりのための具体策についてであります。  県立大学では、国際化・情報化が急速に進み、複雑・多様化した今日において、学生みずからが可能性を開拓し得る多様な教育機会を提供することとしております。  まず、教育内容としては、二百を超える幅広く多様な科目群を配置するとともに、一年から四年次まで実践的かつ継続的に学習できる英語や情報教育、地域研究とあわせて学ぶ北東アジア地域言語、一年次からスタートするフィールドワークを重視した全員参加のゼミナールなど、理論と実践を総合した教育を行います。  教育方法としては、少人数教育を徹底し、教員と学生との濃密な接触による指導体制の確立とともに、北東アジア諸国やアメリカへの留学制度の充実により、世界史的な視野の形成を図ることとしております。  さらに、教育環境としては、学内情報ネットワークの整備を行うとともに、一年生が全員入寮できる国際交流会館では、日常的に留学生と交流ができる環境を整えます。これらに加え、国や地方公共団体、企業、マスコミなどから多種多彩な教授陣を迎えることとしており、学生にとって充実したキャンパスライフが送れる大学づくりができたものと思っております。  次に、卒業生の就職先についてであります。  県立大学では、高度な英語や情報の処理能力を持つとともに、北東アジア地域に精通し、現代的諸課題に対し適切なアプローチと解決策の提示ができる人材を社会に送り出すこととしております。このため、二年次の後半から卒業後の進路を想定した国際協力系、組織経営系、地域社会系の三つの履修モデルを用意しております。就職先としては、それぞれのコースに応じ企業の国際部門、国際機関、NGO、企業の計画・管理部門、国や地方公共団体の地域政策部門などを想定しております。  次に、北東アジア地域学術交流財団の役割についてでありますが、来年四月の島根県立大学の開学を契機として、北東アジア地域の発展により一層寄与するため、北東アジア地域研究センターを中心とした学術研究活動への支援や、この地域からの留学生受け入れのための奨学金の交付、地域社会に対する研究成果の還元を行う機関として、この財団を設立することにしております。  次に、コンピューター西暦二〇〇〇年問題についてであります。  これはコンピューターが西暦年数の下二けたのみを扱っていることにより、一九九九年から二〇〇〇年になる際、その下二けたゼロゼロ年を二〇〇〇年ではなく一九〇〇年などと認識してしまうことにより誤作動を起こし、社会的混乱を起こす可能性があるというものであり、現在、国、地方公共団体、企業等がそれぞれ取り組みを進めているところであります。  本県の対応につきましては、本県が保有するシステムのうち、人命や生活、財産、企業の経済活動等にかかわるシステムと、影響が市町村等他の行政機関に及ぶシステムについては、既に八割以上修正作業を終え、模擬テストについても八割以上実施済みであり、年末までに対策が完了する見込みであります。  また、市町村が保有する同様のシステムにつきましては、本年三月段階では、修正作業については約六割が完了、約三割が実施中、模擬テストについては約五割が実施済み、約二割が実施中となっておりますので、順次対策を完了するよう要請してまいります。  また、県においては、不測の事態を想定した復旧体制や代替手段、電気、水道などの社会インフラに関する危機管理計画の策定などを進めており、近くコンピューター西暦二〇〇〇年問題対策本部を設置することとしております。  また、市町村に対しても危機管理計画を策定するよう要請しており、社会的混乱が生じることのないよう体制が整備されるものと考えております。  こうした現在の対応状況から見て、県及び市町村のシステムが原因となって県民生活に重大な支障を来すような事態にはならないと考えております。 7: ◯議長飯塚普彬君) 島田企画振興部長。
       〔島田企画振興部長登壇〕 8: ◯企画振興部長(島田一嗣君) 原子力発電所三号機に係る地域振興につきましては、全体で約八十の要望項目がありますが、これについては、さきの二月県議会において、市や町の要望のすべてのプロジェクトを国に要請することで県議会の御理解をいただいております。  この計画を進める手順といたしましては、国に対して県と三市町が一緒になって説明・協議し、できるだけ多くの事業を取り上げていただくよう折衝を続けることになります。  この場合、制度上、経済企画庁及び通産省の資源エネルギー庁が窓口となっておりますものの、この具体の折衝は国の関係省庁それぞれと行うこととなっておりまして、二つの段階を踏んで進めることになります。  一つには、国に持っていく前に県と市や町との間で個々の事業について事業費、年度、財源等の詰めを十分行っていくことが必要でありますが、これは今の時点ではほぼ終了いたしております。  次には、この詰めを完了したものを県と市町が一緒になって各省庁に出向いて説明・協議を行っていく段階でありまして、これは今後本格的に行っていくこととなります。  県全体としての要望の概要は、四月中旬に既に正式文書により事前協議を行っておりまして、目下、資源エネルギー庁では、つい先日来県されました審議官の言葉にありましたように、各省庁に対して島根県の地域振興の強力な支援を求める働きかけをしていただいております。  私も国に対して地元の要望をより的確に伝えるために、つぶさに現地視察を行いましたし、市と町が県と一体となって進めていく体制も整いましたので、今議会開けから精力的に国との協議を進めていきたいと考えております。以上でございます。 9: ◯議長飯塚普彬君) 外山健康福祉部長。    〔外山健康福祉部長登壇〕 10: ◯健康福祉部長外山千也君) 県立特養の見直しについてでありますが、介護保険制度に適合させる観点から、入所者の処遇改善と運営の改善をセットで進めることを基本に、その見直しに取り組んでまいりたいと考えております。  まず、入所者の処遇改善の具体的な手法につきましては、地域のサービス水準を全体的に向上させる中で受け皿施設を整備した後、県立特養の入所定数枠を新設施設に移管する、そしてその後、県立特養の大部屋の解消や処遇環境の改善のための改修を行っていきたいと考えております。  幸いにも、国の経済対策の活用により、受け皿施設の整備が進んでいることや、今後介護保険事業支援計画にも反映させることで、早期に処遇改善が図れるものと見込んでおります。  一方、運営の改善につきましては、社会情勢の変化により県が設置する意義が希薄になってきていること、そして介護保険制度においては利用者との契約制になり、民間施設と区分することができなくなったことなどを踏まえ、介護保険の施行を契機に月照園を廃止するほか、現在県立である施設を事業団立施設としたいと考えております。  なお、こうした見直しを進めるに当たりましては、事業団による施設運営が安定的にできるための運営基盤の確立や事業団職員の皆さんの生活設計の配慮が特に重要と認識しておりまして、事業団の意向も踏まえながら対応してまいりたいと考えております。 11: ◯議長飯塚普彬君) 稲田農林水産部長。    〔稲田農林水産部長登壇〕 12: ◯農林水産部長稲田光君) 初めに、市場原理導入の影響緩和策でございます。  御指摘のとおり、今後、農産物の生産、流通において市場原理がますます強く働いていくこととなると考えております。県といたしましては、地域内消費などの多様な手法によりまして、まず、本県の農産物の需要拡大を図るということを第一に、市場の評価を適切に反映した付加価値の高い農産物の生産振興対策、機械の共同利用などによる生産コストの削減のみならず、集出荷システムの合理化などによる流通コストの削減を図るコスト削減対策、そして、再生産につながるような価格安定対策の充実を図り、これらの対策を総合的に実施しながら生産者の不安を払拭するよう努力してまいりたいというふうに考えております。  次に、食品の安全性確保と安全良質な農産物の生産対策についての考え方及び具体的施策でございます。  本県におきましては、これまで農薬や化学肥料の使用量を抑えた環境にやさしい農業を推進し、こうした農業に取り組む農業者やそのグループが着実にふえております。こうした背景の中で、ここ五年間における農薬の使用量は約四〇%、化学肥料の使用量は約二二%減少してきております。  今後とも、消費者の食品の安全性に対するニーズにこたえるため、有機農業を初めとする環境にやさしい農業を一層推進するとともに、食品に関する検査などを通じまして、食品の安全性確保と安全良質な農産物の生産対策を進めたいと考えております。  具体的には、本年度新たに創設した地域特性活用型農業支援事業の中で、県独自の有機農産物認証制度を構築するとともに、がんばる島根農林総合事業を拡充するほか、有機農業の経営安定対策なども含め総合的な対策を講じてまいりたいと考えております。 13: ◯議長飯塚普彬君) 稲田商工労働部長。    〔稲田商工労働部長登壇〕 14: ◯商工労働部長稲田節哉君) コンピューター西暦二〇〇〇年問題についてお答えいたします。  まず、県内企業の対応状況等についてでございます。しまね産業振興財団がことし三月に県内企業六千社を対象にアンケート調査しました結果、回答のありました五百社のうち、約八三%の企業が対応済み、もしくは作業中であると答えております。  一方、全く対応していない、もしくは対応すべきシステムかどうかわからないなどと答えた企業が約一七%に上ることから、このままでは年末に向けて対応が間に合わない企業が出るものと憂慮しております。  次に、危機管理計画の策定と模擬テストの実施状況についてであります。  政府がことし四月に発表しました三月末までの全国の企業の対応状況調査結果によりますと、金融やエネルギー、情報通信、交通、医療などの重要分野につきましては、医療分野を除き大部分が六月末を目標に完了すると見込まれております。しかし、中小企業については未検討や検討中が二三%とされており、対応のおくれが懸念されております。本県においても同様の状況であると推測しております。  次に、県内企業活動への影響についてであります。  企業によっては生産ラインの停止や装置の誤動作による機器類の破損などさまざまな支障が起こり得ると言われており、企業が万全の対策を講ずる必要があります。県といたしましては、しまね産業振興財団内に相談窓口を設置し、企業に対する問題意識の啓発や巡回指導、危機管理計画のモデル作成や制度融資の紹介などの情報提供、アドバイザーの派遣などに取り組んでまいりましたが、今後、関係団体との連携を深め、企業に対する支援強化に努めてまいります。  次に、新産業創造に向けての対応についてでございます。  まず、科学技術振興指針についてであります。この指針は、戦略的かつ総合的な科学技術の振興により本県産業の活性化を促し、定住条件の確立を目指そうとするもので、本県の地域特性や産業の成長性を考慮して環境関連分野及び健康・福祉関連分野を重点振興分野として定めたものであります。  県といたしましては、この指針を着実に推進するため、今年度から新たに県立試験研究機関の共同研究を進め、連携強化を図るとともに、産学官共同研究開発に対する支援の強化や県外の研究者、技術者と本県企業等との人的ネットワークづくりの一環としてのしまね・つくばネットワークの構築など積極的に施策を展開することといたしております。  次に、新事業創出促進法に基づく基本構想についてであります。  この基本構想は、地域経済の自立的発展を目指して、地域の産業資源を活用しての新事業の創出を積極的に促進するため、支援機関の連携体制等について地域の特性を踏まえ都道府県知事が定めるものであります。  本県の基本構想におきましては、しまね産業振興財団を中心に工業技術センター、ふるさと定住財団、信用保証協会等が連携して、総合的、機動的に新事業の創出を支援する体制を明らかにしたところであります。  今後は、大学等の研究機関や高度な産業技術を有する企業が集積する地域を選定し、新事業創出に向けての推進方策、推進目標等を明らかにする計画を作成したいと考えております。  次に、しまね産業振興財団についてであります。  同財団は、本県産業の高度化と新産業の創出を目指して、起業化──これは企業を起こすという意味の起業化でございますが──あるいは経営支援、研究開発、市場開拓、情報化促進など多方面から企業をバックアップし、総合窓口機能、総合コーディネート機能を果たす機関として設立したものであります。  今年度は、産業界の要望に機動的かつ幅広くこたえられるよう一億円の事業費で新製品・新技術の研究開発費助成やしまね・つくばネットワークの構築などを行うこととしたところであります。このたび、この事業費をさらに一億円増額し、産学官共同研究に対する助成を拡充するとともに、マーケティング活動や販売促進活動等に対する助成制度を新設したいと考えております。 15: ◯議長飯塚普彬君) 山崎教育長。    〔山崎教育長登壇〕 16: ◯教育長山崎悠雄君) まず、総合的な学習の時間の導入により、学校がどのように変わるかについてお答えをいたします。  新しい学習指導要領では、完全学校週五日制のもと、ゆとりを持って学習できるように授業時数が縮減されたほか、総合的な学習の時間が創設をされました。その趣旨は、地域や学校、児童生徒の実態に応じ、また、環境・福祉等の従来の教科をまたがるような課題に関する学習など、各学校が創意工夫を生かした教育活動を行うことにあります。  また、このねらいは、ともすると知識の量を重視しがちだった教育からの転換を図り、子供たちにみずから学び、みずから考える力を育成し、学び方や調べ方を身につけさせることにあります。  学校教育では、このような総合的な学習の時間の趣旨やねらいのもと、ゆとりの中で生きる力を育成することを基本とし、子供たちが授業の内容を確実に身につけることができるよう、わかりやすい授業を展開し、学ぶことの楽しさや成就感を味わえる学びの場の実現を目指します。  県教育委員会といたしましては、各学校において、この時間を活用することにより創意工夫を生かした特色ある教育が行われ、魅力ある学校づくりが推進されるものと期待しております。  次に、入学試験に関してお答えいたします。  高等学校や大学の入学試験のあり方が中学校や高等学校の教育に大きな影響を及ぼすことは御指摘のとおりであります。このような認識のもとに、県教育委員会といたしましては、生徒の能力・適性や高校教育の多様化等に対応して推薦入学の実施、学力検査における傾斜配点の導入、調査書の活用の工夫、面接・実技検査等の活用など、従前から公立高校入学者選抜の改善に取り組んできたところであります。このような改善は、中学校教育の充実にも資するものと考えており、今後とも引き続き取り組みを進めてまいりたいと思います。  また、大学入試については、従来、国において改善に取り組まれてきたところでありますが、さらに現在、中央教育審議会において初等中等教育と高等教育との接続の改善について審議が進められており、その動向に注目しているところであります。  次に、新学習指導要領の実施に向けての準備の状況についてであります。  県教育委員会といたしましては、現在行われている文部省による中央説明会やこの夏に行われる衛星放送による説明を受け、県の新教育課程説明会を今年度から年次的に実施することにしております。  また、この衛星放送による説明を収録し、ビデオテープを市町村教育委員会及び県立学校に配付し、これを活用した校内研修などにより趣旨の徹底が図られるようにいたします。  一方、昨年度末、県の教育課程審議会に対し、本県における望ましい教育課程の編成・実施について諮問をいたしました。この答申を得て、教育課程編成・実施の手引等を作成し、配付する予定にしております。各学校がこれらを受けて具体的な事項について検討し、新教育課程への円滑な移行ができるように指導してまいります。  次に、公立学校における国旗・国歌に関する御質問についてでありますが、本県においては、すべての公立小・中・高等学校の入学式や卒業式において国旗が掲揚され、国歌が斉唱されております。また、その際、学校現場において特段の混乱はないものと承知しております。  児童生徒がこれからの国際社会において、信頼され尊敬される日本人として成長するためには、学校教育において、我が国の国旗・国歌はもとより、諸外国の国旗・国歌に対する正しい認識と、それらを尊重する態度を育てることが重要であります。新学習指導要領においても、入学式や卒業式などにおいて、その意義を踏まえ国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとすると規定されております。県教育委員会といたしましては、今後とも、児童生徒が国旗・国歌の意義を理解し、それを尊重する態度を涵養するとともに、諸外国の国旗・国歌に対して等しく敬意をあらわす態度を育てるよう指導してまいりたいと考えております。 17: ◯議長飯塚普彬君) 千家公安委員長。    〔千家公安委員長登壇〕 18: ◯公安委員長千家尊祐君) 佐々木議員の御質問にお答えいたします。  私は、平成八年七月十二日付で島根県公安委員に任命され今日に至っておりますが、まず、こうした県民の皆様に御奉仕をさせていただく機会を与えていただきましたことに心から感謝を申し上げます。  これまで県警察の活動につきましては、各種の報告を受けるとともに、警察署のみならず交番、駐在所へも直接訪れるなど、ありのままの警察の姿と接するよう努めてまいりました。  また、公安委員会といたしましても、良好な治安を確保するため、活動の基盤である施設等の充実はもとより、他県警察等に対する積極的な援助要請や暴対法に基づく再発防止命令を発出するなど最善の努力をしてまいったところでございます。  ちょうど今から十七、八年前の昭和五十七年、天皇陛下がおほみうたによって、「わが庭の そぞろありきも 楽しからず わざはひ多き 今の世を思へば」と、その時代も問題多き時代であったことを御心配になっていらっしゃいましたが、最近の世の中もやはり災い多き時代と言えると思います。  治安情勢は御指摘のとおり、都市型犯罪や犯罪の国際化というものが身近に感じられるようになり、犯罪の一つ一つを見ましても、その規模や内容も従来のものとは大きく変貌しつつあり、一段と厳しい情勢になりつつあると認識いたしております。  さらに、被害者の支援等、新たなニーズにも的確にこたえていくためには、これまでの知識や人員、装備では対応できないものも生じてくるおそれがあると危機感を持っているところであり、この点の充実化も大変重要な課題であろうかと認識をいたしております。こうした中、県警察は一千七百余名の職員一同が崇高なる使命に燃え、誇りと責任感を持って職務に精励しているところでありますが、引き続き良好な治安を確保し、「住みよい島根」、「住みたい島根」づくりに貢献していくためには、県当局、県議会はもとより、県民の皆様の御理解と御協力を得、警察と県民の間に揺るぎない一層の信頼関係を構築することが必要だと感じているところでございます。 19: ◯議長飯塚普彬君) この際、しばらく休憩をいたします。 午後零時二十一分休憩 午後一時十分再開 20: ◯副議長小川博之君) それでは会議を再開いたします。  引き続いて各派の代表質問を行います。  県政クラブ代表渡辺恵夫君。    〔渡辺恵夫君登壇、拍手〕 21: ◯十七番(渡辺恵夫君) 県政クラブの渡辺でございます。私は、第三百七十七回定例県議会におきまして県政クラブを代表して質問いたします。  質問の前に一言申し上げたいと思っております。  まず最初に、澄田知事には、さきの統一自治体選挙におきまして、県民の皆さんの圧倒的な支持を得られ、四期目の当選を果たされましたことに対し、県政クラブを代表いたしまして心からお喜びを申し上げる次第でございます。  これからは、施政方針でも述べられましたように、「住みよい島根」、「住みたい島根」の実現に向け、また、島根県が新しい時代に光り輝き、豊かさとやさしさに満ちた地域を目指して力強い歩みを進めることができるよう先頭に立って取り組んでいただけるものと期待を寄せるものであります。  また、同じくさきの統一自治体選挙において県議会議員に当選されました同僚議員の皆様にも心からお喜びを申し上げます。  私も二期目になりますが、一期目の四年間にはさまざまなことがありました。執行部や議会に対する県民の皆さんの厳しい御指摘もありました。私は、そうした指摘や意見を真摯に受けとめ、いつまでも初心を忘れずに今期四年間、県民の皆様の負託にこたえていかなければならないと思っております。  そうした意味で、私ども県議会が行政のチェック機能を果たしていくことはもちろんですが、一方で、これも当然のことながら執行部とともに「島根号」の両輪となって、さらなる県勢の発展を目指し、お互い日々努力していこうではありませんか。  若干、前置きが長くなりましたが、これから質問に入ります。午前中の代表質問で、私の質問と重複する点がございますけども、クラブを代表しての質問でございますのでお許しをいただきまして、既に通告しております十三点について質問いたしますので、知事初め関係部長、教育長、県警本部長の明快な答弁をよろしくお願いを申し上げます。  さて、私が質問原稿に着手しましたころに、連日、新聞紙上をにぎわし、注目を浴びていたことの一つにプロ野球セ・リーグの阪神タイガースの躍進がありました。ここ何年もダメトラと言われ続け、下位を低迷していたタイガースのこの躍進の要因は何でありましょうか。そう、言わずと知れた野村監督の就任であります。プロですから選手の潜在能力は他の球団と比べても遜色はないはずです。これまでその力を十分発揮できていなかった選手の潜在能力を引き出したのは野村監督の手腕ということで、その采配に快哉を叫んでいるのはタイガースファンだけではないはずです。  なぜ私がこのような例を引き合いに出したかといいますと、私が阪神タイガースファンだからというわけではなく、皆様既におわかりのことと思いますが、リーダーシップの重要性をわかりやすく述べたかったからであります。  そこで、まず最初に、県政のリーダーシップを取っていかれる知事の県政運営に対する基本姿勢についてお聞きしたいと思います。あわせて、施政方針で示されました「住みよい島根」、「住みたい島根」を実現するための三つの県政推進の柱のうち、地域づくりで述べられました全県フィールドミュージアム構想については新しい考え方であり、概念的にはわかるような気がするのですが、もう少し具体的にお考えをお聞かせいただきたいと思います。  次に、地方分権、行財政改革についてお伺いをいたします。  地方分権一括法案が現在国会で審議中であり、今国会で可決成立する見込みとなっています。地方分権推進委員会の勧告では、八割の機関委任事務が自治事務になる予定だったものが五五%まで減ったなどの不満は残るものの、根本的に国と地方の関係を見直し、国と地方を国民の福祉を進めるために互いに協力する対等な関係に位置づけ、できるだけ住民に近い自治体に仕事や権限を移すという趣旨は大いに歓迎すべきものであると思います。  しかしながら、この法案では自治体にとって一番大きな問題である財源問題にはほとんど触れておりません。これでは権限は移ったものの、これまでの補助金行政による国のコントロールは残されたままということになります。  この財源問題を根本的に解決するためには、国税の地方への移管など税制の改革や補助金行政の見直しが必要なことは明らかでありますが、国に対する要望活動も含め、地方分権に伴う財源問題に対する知事の見解を伺いたいと思います。  次に、県の地方分権・行財政改革につきましては、平成七年、八年に策定された地方分権・行財政改革推進大綱に基づき、市町村、地方機関への権限移譲や組織の見直しが進められております。  権限移譲については、ほぼ予定どおり進んでいるとのことでありますが、組織・人員の見直しについてはおくれているとの報道がありました。現在までの実施状況と今後の見通しについてお知らせいただきたいと思います。  もう一点は、財政運営についてであります。二月議会でもお聞きしましたが、歳入の伸びが見込めない中で、重点配分や歳出の見直し、有利な起債の活用、基金の運用等により適正な財政運営に努めていくとの答弁でありました。  先ほどからお尋ねしております地方分権の進展を踏まえた上での今後の財政運営の見通しについて、改めて知事の見解をお聞かせ願いたいと思います。  次に、島根県立大学についてお伺いをいたします。  浜田市に建設中の島根県立大学につきましては、設立認可申請も済み、建物もほぼその全容をあらわしつつあり、来年四月の開学に向け順調に準備が進んでおります。また、先月には知事が訪中され、島根県立大学と北京大学国際関係学院との交流協定書を締結されてきました。北京大学がまだ開学をしていない大学と交流協定を結ぶということは、これまでにないことだそうで、その快挙に敬意を表するものであります。  さて、少子化傾向が続く中で、今後、この大学の生き残りのための競争が激しくなっていくことが予想され、よほどの特徴というか、独自性を持った大学でないと生き残っていけない、その存在価値はないということになりかねません。そうした中で開学するわけでありますが、幸い、島根県立大学はその建学理念やカリキュラムを見ても非常に特色あるものとなっており、知事の言われる三づくりの一つ、人づくりという意気込みが感じられ、今後の大学のあり方の先鞭をなすのではないかと期待をするものであります。  そこで、みずから北京大学との交流協定を結んでこられた知事に運営方針を含めた島根県立大学に対する思いをお聞きいたします。また、島根県立大学には附属研究機関として北東アジア地域研究センターが併設されます。私は、大学とこの研究センターが一体となって、国内はもとより世界に名だたる大学になってほしいと思っておりますが、そうした大きな夢を持って島根県立大学の世界に果たす役割についてお聞きしたいと思います。  次に、高速交通体系の整備についてであります。
     山陰自動車道の整備につきましては、施政方針でも一日も早い完成を目指すという力強い言葉をいただきましたし、県の最重点要望項目にも挙げておられまして、早期完成を望む者の一人として感謝の意を表するものであります。  そこで一点だけ、高規格道路としての整備も含め、県内全線が開通するのは大体いつごろになると予想されているのか、または目標とされているのか、これまで個別の整備については何度もお聞きしましたが、全体像についてここで聞いておきたいと思います。  二つ目に、山陰本線の高速化に関して何点か伺います。  平成十三年度中の高速化実現は、県西部に住む者にとっては悲願であり、時間短縮により利用もふえるものと期待をしておりますが、一点目は、現在の県西部の山陰本線の利用状況についてお聞きをいたします。  二点目に、高速化に弾みをつける意味でも山陰本線の利用向上に向けてのPRが必要ではないかと思いますが、考えをお聞かせいただきたいと思います。  三点目は、三月に県、JR西日本、高速化募金委員会で合意された地上設備工事費の負担のことについてでありますが、募金委員会の行う募金の方法とスケジュールについてお知らせください。  もう一点、新型車両が走行することが考えられる鳥取、山口両県に対する負担の協力要請はされるのかどうか、考えをお聞かせいただきたいと思います。  次に、中山間地対策についてであります。  県土の九割、人口でも六割以上を占める中山間地域については、過疎化や高齢化が進んでおり、伝統行事ができないといった地域文化の崩壊や営農放棄により田畑が荒れ、国土保全機能が崩壊するなどという深刻な状況で、中には集落の消滅のおそれさえある地域もあり、この対策は県政の最重要課題の一つと言えます。  そこでまず、二月議会で制定された中山間地域活性化基本条例に基づいて実施される中山間地域集落維持・活性化緊急対策事業の基本的な考え方と具体的な施策についてお聞かせいただきたいと思います。  次に、この施策の対象となる集落数とその規模ですが、先般、基礎データの調査をされたと聞いております。県内でどれだけの集落が対象になるのか、また、その集落の規模はどのぐらいかをお示し願いたいと思います。あわせて、そのうち知事の特別認定により対象となる集落がどれほどあるのかお知らせください。  今回のこの新規事業が本当に中山間地域の活性化につながるのかどうか、非常に注目をされておりますので、決してばらまきだったなどとはならないよう期待をするものであります。  次に、雇用対策についてであります。  先般、発表された数値では、国内の失業者数は三百四十二万人で、そのうち企業のリストラ等による非自発的失業者数が百十五万人、同じく世帯主失業者数が九十三万人、失業率は四・八%で、中でも男性の失業率は五%と、悪い意味で記録を更新し、雇用情勢は非常に憂慮される状況となっております。  県内においても、有効求人倍率が平成十年四月から一・〇倍を切っており、雇用情勢は厳しいものがありますが、そこで何点か伺います。  一点目に、こうした県内の雇用情勢は定住という県の施策にも大きな影響があるのではないかと考えますが、現在の雇用情勢に対する知事の認識をお聞きします。  二点目に、県内の地域別の状況と今後の見通しについてお知らせください。  また、この春の高卒者の就職状況も全国的には過去最低の就職率だったと聞いておりますが、三点目に今春の県内の高卒者の就職状況とその見通し及び対策について伺います。  こうした厳しい状況を受けて、商工労働部長が経営者団体を訪問して雇用の確保をお願いして回られたということで敬意を表したいと思います。  私は、全国的に雇用情勢が厳しい今こそ、地元の優秀な人材を残したり、地元出身者のUターンを促す絶好のチャンスであり、企業には少々無理を言う形になるかもしれませんが、積極的に働きかけるべきだと考えておりまして、四点目に、今後も企業に対する働きかけを行っていく考えがあるのかを含め、今後の雇用情勢の見通しを踏まえた雇用対策についてお聞かせいただきたいと思います。  次に、農業の振興について伺います。  現行の農業基本法にかわる食料・農業・農村基本法案、いわゆる新農業基本法案が国会に提出されており、今国会で成立する見通しとなっています。  基本理念の中には、これまでになかった国土・自然環境の保全など農業の多面的機能の発揮が掲げられておりますし、農業経営の法人化を進める一方で、中山間地域農業への所得補償を盛り込むなど、先ほど述べたように危機的状況にある中山間地が多くを占める本県にとっては、過疎化の歯どめ、国土保全などの面でよい意味で大きな影響が及ぶことになるのではないかと思っております。  そこで、この新農業基本法案に対する知事の見解と、これにより島根の農業はどのように変わっていくのか、また、変えていかなければならないのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。  次に、水産業の振興についてであります。  先般、五月末で漁期を終えた浜田漁港の沖合底引網漁が豊漁だったとの報道がありました。一月の新たな日韓漁業協定の発効により、日本の排他的経済水域から韓国漁船が姿を消したことが影響しているのではないかとのことで、漁業者はこのまま資源回復につながればとの期待も寄せているところであります。  そこで一点目に、新たな日韓漁業協定の発効以降、山陰沖の排他的経済水域内での韓国漁船の操業実態はどうなっているのかについて、これまでの監視状況も含めてお知らせいただきたいと思います。  二点目に、今述べたように資源回復についての期待感がありますが、今後の見通しについてお聞かせください。  三点目は、暫定水域内での適切な資源管理のためのルールづくりについての考えと、現在の状況をお聞かせいただきたいと思います。  さきの県の調査では、韓国漁船の操業実態は、国内では禁止されている区域での操業など、いわゆる違法操業が確認されているとのことで、それでなくても暫定水域の範囲に不満が残っている中で、そうした違法操業が横行しているのでは踏んだりけったりではありませんか。そうした意味で、県として国に対し、適切な資源管理のためのルールづくりの取り組みを早急に始めるよう、さらに強く働きかけていただきたいと要望するものであります。  次に、環境行政についてであります。  ダイオキシン対策については、ようやく環境基準を定めたダイオキシン規制法案が成立するようです。私としては、もう少し早くてもよかったのではないかと思っておりますが、それはさておき、一点目に、県内のダイオキシンの状況についてお聞きします。  知事は、ごみ焼却場からのダイオキシン類の排出抑制は緊急の課題で、一般廃棄物については、ごみ処理広域化計画に基づいて排出抑制対策を進めると述べておられます。排出抑制が緊急の課題であるということに異論はありませんが、ごみ処理広域化計画のうち、特に大田市以西を一つの処理区域とされていることについては、以前にも申し上げたと思いますが、少々無理があるのではないかと考えるものであります。それは収集運搬の実態から考えると範囲が広過ぎるのではないかと思うからでありますが、該当市町村の意見はどうでしょう。また、処理場の老朽化による建てかえを検討する時期に来ている自治体もあるかと思います。仮にごみ処理広域化計画を実施するとしても、大田市以西で一つの処理区域では、建設場所、中継基地等、調整がつくまで相当の時間がかかりますが、待てるのでしょうか。そうしたことも含め、今後の取り組みについての考えをお聞きしておきたいと思います。  次に、福祉政策についてであります。  保険料徴収の延期や一律実施の見直し、果ては制度そのものの延期論まで出てきた介護保険制度ですが、最終的にはもとのとおりいよいよ来年度からスタートいたします。日本一の高齢県である本県にとっては、社会全体で介護を支えていくこの制度は、非常に価値のあるものだと思っていますが、今この時期になっても不安が残っているのは、どこに住んでいても同等のサービスが受けられるのかということであります。  県では、九つのサービス提供支援圏域を設定し、取り組みを進めておられますが、介護基盤の整備については、市町村の老人保健福祉計画の達成状況により差が出てくるため、同等のサービスを受けるためには最低限、この計画の完全達成が必要になります。県も緊急三カ年戦略などで基盤整備の支援をしてこられたわけでありますが、そこでまず介護保険制度実施に当たっての各地域での老人保健福祉計画の目標値に対する人的、施設的な達成状況について伺います。  次に、計画策定当時からの状況変化に対応するためには、目標数値を初め現行の老人保健福祉計画を見直していく必要があると思いますが、そのことについてのお考えをお聞かせください。  また、保険料ですが、これについても各地域で大きなアンバランスが生じてはいけないと思います。これについても地域ごとの状況がどうなっているのかお知らせいただきたいと思います。  事業の実施主体の中心は市町村であります。認定の申請受付が始まる十月から市町村では実質的な制度スタートになります。全市町村で一斉に円滑なスタートが切れるよう、県の十分な支援を要望しておきたいと思います。  次に、県西部の医療体制の整備についてであります。  この三月にようやく国立病院の再編計画が正式に示され、国立浜田病院については、循環器疾患やがん及びエイズ医療の拠点施設として位置づけられるとともに、四月からは心臓血管外科がスタートし、近々心臓手術もできるようになるなど、機能の充実が図られました。この間の県の取り組みに敬意を表するとともに、今後一層の充実に向けた取り組みをお願いしたいと思います。  さて、国立浜田病院について一応の結論を見たことで、私がずっと言い続けてきた医療体制整備で残されたのが成人病予防センターの県立移管の問題であります。  これまでの質問の中では、国立浜田病院の位置づけが決まらないうちは検討も難しいとは思うがと言ってきましたが、位置づけが決まった以上、今後は十分検討していただきたいと思います。  そこで、この問題について今後どのように取り組まれるのか明らかにしていただきたいと思います。私は、この問題は県の長期計画にも明記されている施策であり、現在、検討されている新たな保健医療計画に盛り込んで時期を明確化してもよいのではないかと考えますがいかがでしょうか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。  次に、教育問題についてお伺いします。  一つ目は、日の丸・君が代の問題であります。三月に広島県で卒業式での日の丸・君が代をめぐって、完全実施の職務命令を出した広島県教委と、これに反対する教職員との板挟みに悩んで校長が自殺したニュースはまだ記憶に新しいところであります。この事件をきっかけに、日の丸・君が代の法制化問題がにわかに政治課題になり、紆余曲折の後、御承知のとおり国旗及び国歌に関する法案が国会に提出されたところであります。  私は、国旗や国歌のあり方について議論することを否定するものではありませんが、十分な論議の時間が取れないこの時期に、なぜこのように急いで日の丸・君が代を国旗・国歌として法制化を図ろうとするのか疑問に感じております。  慣習として日の丸・君が代が国旗・国歌として定着していることは確かでありますが、特に君が代を国歌として法制化することについては、その内容が主権在民を定めた憲法を持つ国の国歌としてふさわしいのかどうかも含めて、国民の中でもっともっと深い論議が必要で、国民の合意が得られてから法制化すればよいものではないかと思うのであります。  そこで何点か伺います。まず、国旗及び国歌に対する知事の見解をお聞かせください。  二点目に、この春の卒業式では多くの県立高校で校長から日の丸・君が代を国旗・国歌に呼称を変えるよう提案があったと聞きました。島根県教委では、卒業式や入学式での日の丸・君が代の取り扱いについて、どのような指導を行っておられるのか聞いておきたいと思います。  次に、完全学校週五日制に向けた取り組みについて伺います。  平成四年度の二学期から毎月第二土曜日を休みにすることで始まった学校の週五日制ですが、現在は月二回となっており、平成十四年四月からは完全学校週五日制になります。週五日制が始まるときに土曜日の塾通いがふえるとか、繁華街で子供がうろつくとか、地域での受け皿づくりをどうするかなどさまざまな議論があったのは御承知のとおりであります。  そこで、原点に立ち返って、この完全学校週五日制に対する教育長の見解を伺います。  完全学校週五日制の円滑な実施のためには、今以上に学校、家庭、地域社会が一体となって条件整備を進める必要があると感じておりますが、月二回の現行の週五日制の中での取り組みはどうなっているのでしょうか。現状をお知らせいただきたいと思います。  幸い、島根県は、まだまだ都会に比べれば地域社会のつながりは強いものがあります。私は、そうした地域社会の強いつながりと家庭、学校が一緒になって円滑な完全週五日制の実現を図るためには、今の時期から専門家を交えた委員会等を立ち上げて、その方策を検討していくべきではないかと考えますが、そうしたお考えはないか伺います。  次に、教員採用についてでありますが、平成十二年度教員採用は平成十一年度に比べて三割減とのことで、このままの状況が続けば当然教員年齢のアンバランスが生じ、学校の活力や教員人事等にも影響が出るのではないかと懸念をされます。  今後、地方分権が進み、学級編制等も地方の判断に任されるようになると思いますが、学級定員の削減等により教員採用数の平準化を図るなどの対策が必要ではないかと考えますが、将来展望も含め、見解を伺います。  次に、教師が子供と触れ合うゆとりを取り戻すためにも、多忙な教師の業務の軽減が強く望まれております。しかしながら、現実は産業教育交流フェアやゆうあいピックなど教育現場の業務はますます拡大しているように思えてなりません。一年前の議会で、私が教職員の健康管理の問題で業務の軽減についてお尋ねしたとき、当時の江口教育長は、軽減のための措置も極めて重要であるとの認識を示されております。教育長はおかわりになりましたが、この認識に変わりはございませんか、あわせて具体的な改善状況と今後の軽減措置についてのお考えをお聞きしたいと思います。  次に、高校生の就職対策についてでありますが、先ほど雇用対策のところで一部伺いましたので、ここでは特殊教育諸学校の生徒の就職対策について伺います。  これも一年前の議会でお尋ねしたとき、長引く景気低迷による雇用環境の変化等により、卒業生の進路は厳しいものがあり、あいワーク事業──特殊教育諸学校進路開拓推進事業というんですけども──これをスタートさせ、職場開拓の推進、職業教育や現場実習の充実、関係諸機関との連携の強化、地域社会への理解、啓発活動の推進などを行い、この事業を通して企業や関係機関に協力をお願いしていきたいと答えられております。  そこで、あいワーク事業の成果を含めたこの春の就職状況と今後の対策についてお聞かせください。  教育問題でもう一点。深刻な不況が長引いている中で、授業料滞納によりやむなく中途退学に追い込まれたり、各種納付金が納められずに学校に行きにくい状況を来している児童生徒がいるやに聞いておりますが、実態はどうなっているのでしょうか、お知らせいただきたいと思います。  もし本当にそうした実態が児童生徒の勉学の意欲を阻害しているとすれば、ゆゆしき問題であります。小中学校における就学援助制度の適用拡大、授業料の減免制度の緩和措置、新たな奨学金制度の設置など、できる限りの対策を講じて勉学の機会を保障してあげることが必要ではないかと思いますが、お考えを伺います。  最後に、生活の安全確保についてであります。  去る六月十日、県営石見空港に米軍岩国基地所属の戦闘機FA18Cホーネットが緊急着陸し、県民を驚かせました。今回のこの着陸の理由は、計器の故障だとか燃料切れだとか言われておりますが、受けとめ方によれば新ガイドライン関連法案可決後、間もなくの出来事であり、有事の際、民間用の空港を軍事目的で使用するための試験着陸ではないかと受けとめることもできるわけであります。  県は益田市と軍事目的での空港利用は許可しないとの覚書も交わされておりますが、事実として、今回、米軍戦闘機が緊急着陸したことは、周辺事態の際に軍事目的で使用することの可能性を示したということからいえば、県民生活の安全確保にとっては非常に大きな問題でありますし、憂慮される問題ではないかと考えます。  そこで何点か伺います。  一点目は、ガイドライン関連法に対する知事の見解をお聞かせください。  次に、ガイドライン関連法では、関係行政機関の長は、自治体の長や民間へも協力依頼ができるとの規定が盛り込まれています。私は、県民生活の安全確保からいって戦争協力はしないという態度を明確にしておくことが必要ではないかと思いますが、施設使用の要請を想定した場合、県としてはどういう態度をとられるのかお考えをお聞かせ願いたいと思います。  三点目は、今回の緊急着陸という事態に当たり、県は、国や岩国基地に対し、どのような対応をとられたのか、また、それに対し国や岩国基地からの反応はどうなったのか伺います。  次に、通信傍受法案が衆議院を通過しました。法務省は、報道機関が盗聴法という表現をやめるよう文書で要請したなどということもありましたが、聞く側と聞かれる側では立場が違い、確かに聞く側から見れば通信傍受かもしれませんが、聞かれる側から見ると盗聴されることに間違いはないわけで、国民にとっては、やはり盗聴法なのかもしれません。そうした意味で、この法案について国民はいつ自分のプライバシーが侵されるかもしれないという不安をぬぐい切れません。成立後の運用は県警が担うことになると思いますが、県民に不安を与えないためにも、そうしたことのないよう非常に厳格な取り扱いが必要になってきます。法案成立後の運用に対する考え方をお示しいただきたいと思います。  次に、青少年の生活安全の見地から伺いますが、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律が改正され、四月一日から完全施行されました。特に性風俗特殊営業については規制が強化されるとともに、無店舗型や映像送信型といった近年新たに生じてきた問題にも対処できるものとなっており、厳格な適用を望むものであります。  そこで、施行後、広告及び宣伝の規制の強化に伴う状況並びに規制が新設された無店舗型や映像送信型の性風俗特殊営業に関する状況をお知らせいただきたいと思います。また、情報通信の発達に伴い、今後ますますふえていくであろう映像送信型性風俗特殊営業の規制についての対処方針をお聞かせいただきたいと思います。  以上、若干時間が伸びまして申しわけありませんでしたけども、大きく分けまして十三点について質問いたしましたが、前向きの答弁を期待をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 22: ◯副議長小川博之君) 澄田知事。    〔澄田知事登壇〕 23: ◯知事澄田信義君) 渡辺議員の御質問にお答えをいたします。  まず、県政運営に対する私の基本姿勢と全県フィールドミュージアム構想についてであります。  県政の役割は、本県の経済社会の活力と県民福祉を増大させることにあると考えております。そのために、人づくり、地域づくり、基盤づくりの三づくりを四期目県政推進の柱とし、二十一世紀へのかけ橋の役割を果たすべく、あすの島根に活力を吹き込む施策に先頭に立って取り組んでまいる決意であります。  特に県職員の一人一人の資質や能力を高めるとともに、いわゆる縦割り行政の弊害に陥ることがないよう、プロジェクトチームなどの組織横断的な取り組みを柔軟かつ機動的に展開し、県の組織を真に効率的で活力あるものにしたいと考えております。  また、県民本位、地域主体という私の基本理念を改めて県の組織全体に徹底し、県民の皆様を初め、企業、団体、市町村の方々などの声を積極的に聞き、議論を深めながら幅広い理解と協力のもとに力強く県政を進めてまいります。  次に、全県フィールドミュージアム構想についてであります。  私は、知事に就任以来、今日まで県内各地を何度もくまなく訪ねてまいりました。そうした中で、本県がいかに自然、景観、歴史、文化などの資源に満ちあふれているかをこの目で確かめてまいりました。同時にすばらしい地域資源が知られていなかったり、有効に活用されていない例も数多く目にいたしました。そうした中で、私は、これらの豊かな地域資源の魅力をさらに高め、有効に活用していくことこそが個性的で活力にあふれた地域づくりにつながるものと確信したところであります。このため、本県が持つ美しい森林や水辺などのすぐれた自然系の資源と歴史、文化、芸術などの豊富な人文系の資源のそれぞれの魅力を最大限に引き出しながら、相互の連携や回廊化を促進することによって、県内各地域がより個性的で魅力あふれる空間となるような取り組みを積極的に推進する必要があると考えております。私は、この地域づくりの基本的な考え方を、このたび全県フィールドミュージアム構想と名づけたところであります。新たに策定する中期計画の中においては、この考え方を生かして施策の具体化を図りたいと考えております。  次に、地方分権に伴う財源問題と今後の財政運営についての御質問にお答えをいたします。  実施段階を迎えた地方分権を実効あるものにするには、地方税・地方交付税などの一般財源を充実確保することが重要であると考えております。このため、地方税については、消費税や所得税などの税源の国から地方への移譲などにより充実強化が必要であると考えております。さらに、本県のように税源の乏しい地方公共団体にとりましては、中長期にわたる地方交付税総額の安定的確保と財政調整機能の一層の充実強化を図ることが肝要であると考えております。  地方分権に伴う地方税財源の充実確保は、地方公共団体共通の課題でありますので、今後とも、全国知事会や関係地方団体とともに、国に対してその実現を強く求めてまいる考えであります。  また、地方分権が進展してまいりますと、より自主的・自立的な行財政運営を行うことが求められることから、これまで以上に中長期的な視点に立ち、県勢の一層の振興と県民福祉の向上に真に必要な事業の推進に努めてまいりたいと考えております。  次に、島根県立大学設置に向けた私の思いについてであります。  世紀を画するこの大きな節目の時代にあっては、世界史的な視点を持ち、主体的に課題を発見、整理し、適切な解決策を提示することのできるたくましい知的体力を有する人材こそが求められております。  また、本県と密接なかかわりを有する北東アジア地域の発展のため、将来にわたりこの地域を支える人材の育成や人的ネットワークの形成が必要であると考えております。  私は、これらの能力を備えた人材を育成する拠点として、県がみずから大学を設置することは、本県の発展にとりまして極めて大きな意味を持ち、長期的な視野に立った先行投資であると思っております。  誇り高く住みよい郷土づくりという面でも、島根県立大学は県西部地域を中心とした本県の学術、文化の振興とともに、すぐれた地域特性の発掘と活用による地域の知的インフラとしての役割を果たすものと期待しております。  次に、山陰自動車道についてお答えをいたします。  東西に細長い本県の均衡ある発展を遂げるためには、山陰自動車道の早期整備は欠くことのできない緊急かつ重要な課題であり、これまで全力を挙げて取り組んできたところであります。  山陰自動車道は、全国の高規格幹線道路網の一環として、二十一世紀初頭の全線供用を目標に整備が進められております。この道路は、本県にとりまして特に重要でありますので、一日も早い全線の供用が図られるよう、今後ともあらゆる機会を通じて関係機関に強く働きかけてまいります。  次に、現在の雇用情勢についての御質問にお答えをいたします。  本県経済は、公共投資が高水準で推移するほか、住宅投資や企業の生産活動の一部に明るい兆しも見え始めております。しかしながら、雇用情勢は企業のリストラなどから非自発的離職者を中心に求職者が増加しており、依然として厳しい状況にあると認識しております。  人口定住の促進を図っております本県におきましては、このような状況が続けば若者の県外流出やUターンの減少が進み、地域社会の活力の減退が憂慮されるところであります。このため、今後新たな雇用の場の創出や若年層の県内定着対策を一層推進していく必要があると考えております。  次に、食料・農業・農村基本法案、いわゆる新基本法案に対する見解と今後の島根農業についてであります。  二十一世紀の我が国農業の指針となる食料・農業・農村基本法案が今国会で成立する見込みであります。この新基本法案では、食料の安定供給の確保、農業・農村の多面的機能の発揮、農業の持続的な発展、農村の振興の四つを基本理念として掲げられております。この中には、条件不利地域対策など、国に対して本県が要望してきた内容も盛り込まれており、大いに期待し評価しているところであります。
     今後の本県農業の推進についてでありますが、新基本法案の基本理念を踏まえ、地域の特性に応じて米、園芸、畜産のバランスのとれた生産構造への転換を一層促進するとともに、中山間地域等における農業の生産条件の不利を補うための施策などを通じ、都市に住む人々から見ても活力と魅力にあふれた農業・農村となるよう努力してまいりたいと考えております。  このような観点から、現在、農政審議会において、今後の本県農政の基本的方向について審議をいただいているところであり、この秋ごろには答申をいただき、間近に迫った二十一世紀に向かって新しい農業・農村活性化プランを策定することとしております。  次に、国旗及び国歌についてであります。  国旗及び国歌は、ともに国を象徴するものとして、政府の公式行事や国民一般の社会生活において重要な役割を果たしていると考えております。  我が国では、国旗及び国歌について、一般的な法令上の規定はありませんが、長年の慣行として、日の丸・君が代が国旗・国歌として国民に定着しております。  現在、国会に提出されている国旗及び国歌に関する法律案は、これに法律上の根拠を与えようとするものであり、国会の場において十分な審議がなされることを期待しております。  次に、ガイドラインに関連する御質問にお答えをいたします。  周辺事態法等新ガイドライン関連法は、いわゆる周辺事態において、国民の生命と財産を守る観点から、日米安全保障体制のもとで日米協力の内容を法的に明確にするため制定されたものと考えております。  また、国からの協力要請に対する県の対応についてであります。  あってはならないことでありますが、万一にも周辺事態のようなことが生じ、具体的な協力要請がなされるようなことがあった場合、県としてどのように対応すべきかは、国からの協力要請の具体的な内容、期間など、また周辺事態の状況などによりその対応は異なるため、協力要請の内容等に応じて、個々具体に検討することになろうと考えております。 24: ◯副議長小川博之君) 原総務部長。    〔原総務部長登壇〕 25: ◯総務部長原正之君) 初めに、地方分権・行財政改革推進大綱の実施状況と今後の見通しについてお答えします。  まず、県と市町村との関係の改革等につきましは、県から市町村への権限の移譲、本庁から地方機関への権限委任、県補助金や市町村負担金の見直しなどについて、ほぼ目標を達成したものと考えております。  次に、組織・機構の見直しと事務事業の見直しによる人員捻出についてでありますが、組織・機構につきましては、地方機関の総合的・横断的調整機能の強化や石見・隠岐地域における行政機能の強化など着実に実施しております。  また、事務事業の見直しによる人員捻出につきましては、全庁的な推進体制のもとで平成十二年度までに各部局から五%の人員を捻出することにしておりますが、本年四月時点で目標二百二十二人に対し百五人という状況であります。総定員をふやすことなく、新たな行政需要や緊急かつ重要な行政課題に積極的に対応するため、目標達成は不可欠でありますので、全庁を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  次に、北東アジア地域研究センターを附置する島根県立大学が世界に果たす役割についてお答えします。  県立大学の北東アジア地域研究センターを中心とした学術研究交流は、北東アジア地域相互の地域振興を進める上で重要な役割を果たすものと考えております。また、県立大学は、この地域に関する言語や地域研究などをカリキュラムの中に取り入れたほか、この地域からの留学生を積極的に受け入れ、北東アジア地域や、この地域に関連する分野において活躍する人材を養成することとしております。これらの教育、研究活動を通じて、北東アジア地域全体の発展に貢献しようとする島根県立大学は、世界的な見地からも本県の存在意義を高める存在になるものと期待しております。  次に、今回の緊急着陸における国や岩国基地への県の対応についてお答えします。  県としましては、国に対して、事態発生翌日の六月十一日付で、県民の不安解消と安全確保のため、米軍機の飛行訓練の実態把握と低空飛行訓練の中止等適正な措置が講じられるよう改めて強く要請したところであります。  また、在日米軍司令部及び岩国基地に対しましては、同じ日に今回の事態について発生原因を島根県に報告するよう求めるとともに、パイロット等に対する安全教育及び機体の安全点検の徹底等、一層の安全対策を励行し、再発防止に努めるよう強く要請したところであります。これに対し、在日米軍司令部からの返答は、今のところございません。  なお、国においては、平成十一年一月に日米合同委員会の中で、今後必要に応じ低空飛行訓練について協議していくということを確認しております。 26: ◯副議長小川博之君) 島田企画振興部長。    〔島田企画振興部長登壇〕 27: ◯企画振興部長(島田一嗣君) 初めに、山陰本線の高速化に関連してお答えをいたします。  まず、県西部の山陰本線の利用状況につきましては、一日平均の乗車人員で申しますと、出雲以西で平成十年度には約七千六百人が利用していましたが、平成元年度と比較しまして約七五%の利用にとどまっており、だんだんと減ってくる傾向が続いております。  利用促進につきましては、例えて申しますと、県立美術館のオープン時にJR西日本の御協力を得て、県立美術館の入館券と乗車券がセットになった割引切符を発売するなど、いろいろと知恵を絞ってきたところでございますが、今後、高速化実現に向けて新たなPRポスターを作成する等、より効果的な啓発活動を行っていきたいと考えております。  次に、山陰本線の高速化募金委員会につきましては、去る三月十六日に設立されたところでございますが、現在、募金の方法、スケジュール等について検討されており、年内には総会を開催し、募金計画策定の上、募金を開始される予定と伺っております。  次に、鳥取、山口両県への新型車両導入費に対する負担につきましては、この車両はJRに対する無利子貸し付けにより導入されるものでありますが、鳥取、山口両県の受益効果の算定が困難であることから両県に対して負担の要請を行うことは考えておりません。  次に、中山間地域集落維持・活性化緊急対策事業についてお答えいたしますが、今、中山間地域におきましては、若い人が都会地へ出ていくことなどからお年寄りの割合がどんどん高くなり、集落そのものの維持が危うくなるような心配があちこちで生じていることは御案内のとおりでございます。  この事業は、こういった中で何とかしてこの中山間地域の集落に活力を与え、元気を取り戻すことはできないものかという考えのもとに、今年度から新規に取り組むものでございます。例えば、集落を挙げて特産物を活用した加工や販売事業を興して活力を取り戻そうではないかというような場合に、その経費を県で手助けするというような例でございます。  予算的には、一集落当たり百万円を限度としまして、先般、制定されましたいわゆる中山間地域条例で定める地域内の高齢化率が三五%を超える約一千集落を対象にするものであります。三カ年かけて全対象集落で実施することとしておりまして、初年度に当たる今年度は二百集落を対象といたします。  また、御指摘のようなばらまきに終わらないようにするために、ユニークな取り組み例や成功例を積極的に紹介いたしまして、各地が競ってよい知恵を出し合えるよう、その取り組み状況は公表することといたしております。  集落の規模についてのお尋ねですが、十戸未満の集落から七十戸を超える集落まで幅がありまして、最も多い集落は二十戸程度の集落の規模であります。  なお、お尋ねの知事の特別認定による対象集落についてでありますが、先ごろ十地域を新たに中山間地域として指定したところでございまして、四十集落程度が対象になるものと考えております。以上でございます。 28: ◯副議長小川博之君) 飯塚環境生活部長。    〔飯塚環境生活部長登壇〕 29: ◯環境生活部長(飯塚紀君) 廃棄物対策についてお答えいたします。  まず、県内の一般廃棄物のダイオキシンの状況についてであります。一般廃棄物の焼却施設における排ガス中のダイオキシン濃度等につきましては、二十四施設、二十六炉を対象として測定いたしましたところ、現行の基準値である一立方メートル当たり八十ナノグラムを超えた施設はなく、すべての施設が基準以下でありました。  次に、ごみ処理広域化計画の取り組みについてであります。県は、本年三月、ごみ焼却施設から発生するダイオキシン対策を主眼として、各市町村の意見や焼却の実態を踏まえながら、県全体のごみ処理の方向性を示しました広域化計画を策定したところでございます。大田市以西につきましては、最終目標年次の平成二十九年度には一施設に統合することとしておりますが、それまでの間におきましては、施設の耐用年数や投資効果も考慮し、段階的な整備の方向を示しております。  御指摘のように、非常に広い区域でありますので、運搬につきましては中継基地を設けたり、新しい技術による輸送方法も検討していく必要があると考えております。今後、市町村間の協議の場であります連絡調整会議において、県が示しました計画をベースとして具体的な実施計画を策定していただくことになりますが、県といたしましては、市町村と連携をとりながら、過渡期における施設の改造等も含め、圏域における効果的な処理体制の構築を図っていきたいと考えております。以上でございます。 30: ◯副議長小川博之君) 外山健康福祉部長。    〔外山健康福祉部長登壇〕 31: ◯健康福祉部長外山千也君) 初めに、老人保健福祉計画の達成状況についてお答えします。  県全体で見た場合には、在宅サービス、施設サービスともに平成十一年度末には目標をほぼ達成できるものと見込んでおります。しかしながら、訪問看護サービスなど一部のサービスにつきましては、これまでの懸命な努力にもかかわらず、御指摘のとおり圏域別に見た場合には、依然偏りがありますが、介護保険制度の施行に合わせ策定される介護保険事業支援計画においては、これらの偏りをできるだけ是正し、そしてより一層高いレベルの新たな圏域目標値を掲げ、基盤整備を図ってまいります。  また、介護保険事業支援計画と一体的に策定する新たな老人保健福祉計画におきましては、予防や生きがい対策などの充実を図り、介護保険給付の対象とならない方や元気な高齢者の方たちをも対象とした保健福祉の総合施策を行ってまいりたいというふうに考えております。  次に、保険料は供給するサービスの量や種類に連動するものでありまして、被保険者の需要に応じたサービスが確保されることを前提とするならば、保険者ごとの選択の結果、ある程度の格差が生じることはやむを得ないものと考えております。  なお、報道によれば、松江市だと思いますけども、松江市におきましては保険料水準がおおむね三千円程度におさまるのではないかとの松江市長の発言があったところであります。  現在、県におきましては、介護保険事業支援計画等策定委員会におきまして、介護サービス基盤の取りまとめを鋭意行っているところでありますが、特に保険料水準に大きく影響いたします施設サービスにつきましては、一定の水準を念頭に置いた施設整備計画を各圏域に投げかけているところでありますが、これらの検討作業を通じまして、最終的には各保険者で策定する介護保険事業計画の中で保険料額が決定されるものと考えております。  次に、県西部の医療体制の整備と成人病予防センターについてお答えします。  県西部の医療体制につきましては、本年三月に国立病院の再編計画の見直しによりまして、国立浜田病院ががん、循環器疾患の専門医療施設、そしてまたエイズの政策医療を担う拠点施設として位置づけられ、また、本年四月には県西部地域において初めて同病院に心臓血管外科が開設されたところであります。そして、この専門医療施設としての位置づけには、がんなどの病気の早期発見機能についても当然含まれるものと期待しております。今後は、国立浜田病院の新たな位置づけを踏まえた高度医療などの整備の方向や益田赤十字病院など各病院間の役割分担と連携による提供体制につきまして、検討する場をこの秋には立ち上げたいと考えております。そして、このことは八月中に告示する保健医療計画に明記したいと考えております。  なお、成人病予防センターの今後のあり方につきましては、国立浜田病院の専門医療施設といった位置づけだけでは判断しかねることから、国におきます国立病院などの独立行政法人化の動向なども見据えながら、前述した検討の場におきましても検討していきたいというふうに考えております。 32: ◯副議長小川博之君) 稲田農林水産部長。    〔稲田農林水産部長登壇〕 33: ◯農林水産部長稲田光君) 初めに、韓国漁船の操業実態と監視状況についてでございます。  日韓新漁業協定によりまして、日本海西部の我が国排他的経済水域で操業可能な韓国漁船は約千二百隻に上ります。協定の発効後、今日までに実際に本県沖合排他的経済水域に入漁いたしました韓国漁船は、六月から解禁となりましたばいかご漁船五隻でございます。しかし、五月中旬には益田市北西海域においてズワイガニをねらった大量の無許可の底刺し網漁具が水産庁の取締船によって発見され、緊急対応として本県もこの漁具の差し押さえに協力したところでございます。  なお、協定発効以降、海上保安庁、水産庁は、本県沖合海域における取締船の配備を倍増するなど取り締まり体制を強化しておりますけれども、一方、本県の漁業取締船についても、私も乗船し、その実態を見てまいりましたけれども、国と連携をとりながら韓国漁船の監視を重点として対応しているところでございます。  次に、資源回復についての見通しでございます。  浜田地区沖合底引網漁業の昨年八月から本年五月までの今漁期の一経営体当たりの漁獲量は、カレイあるいはイカの好漁によりまして前年同期を三一%上回る五百十トンで、水揚金額は全経営体が二億円を超え、一五%増加し、最近十年間では最高となりました。  これは新協定の発効に伴い、韓国の違法小型トロール漁船が姿を消すとともに、アナゴ筒漁船が大幅に減少したことも要因の一つではないかと考えられます。今後、本格的な資源回復につながるかどうか水産試験場の調査研究により、引き続きその動向把握に努めてまいりたいというふうに考えております。  次に、暫定水域内の資源管理に向けたルールづくりでございます。  日本海における漁業資源の適切な管理を行うためには、暫定水域も含めた日韓両国の資源管理措置が講じられることが必要と考えており、このためあらゆる機会を通じ、暫定水域内で資源管理のためのルールづくりを早急に行うよう国に対し求めてまいりました。しかしながら、本件を協議する場である日韓漁業共同委員会はいまだ開催されておらず、本県沖合の暫定水域には韓国かご漁船、あるいは底刺し網漁船が多数操業している状況にあります。  今後、一日も早く本県漁業者の要望を踏まえた適切な資源管理のルールづくりが講じられるよう、県といたしましても、韓国漁船の操業情報の収集、問題点の整理に努め、国へ積極的に働きかけてまいりたいというふうに考えております。 34: ◯副議長小川博之君) 稲田商工労働部長。    〔稲田商工労働部長登壇〕 35: ◯商工労働部長稲田節哉君) 県内の地域別雇用情勢と今後の見通しについてお答えいたします。  地域別の状況につきましては、県東部では農業用機械器具製造業、鋳物製造業を中心に、県西部では一般製材業、かわら製造業を中心に雇用調整が行われているなど業種には違いがありますが、有効求人倍率は県東部と県西部で比較するとほとんど差がなく、全県的に厳しい状況にあります。  また、今後の見通しにつきましては、日銀短観の業況判断等からも生産活動の一部に明るさは見られるものの、経済活動は総じて水準が低く、雇用失業情勢は県東部・西部ともに当面は厳しい状況が続くものと考えております。  次に、今春の県内高校卒業者の就職状況とことしの見通し及び対策についてお答えいたします。  今春の高校卒業者九千七十三人のうち二三%に当たる二千八十七人が就職を希望し、このうち就職者は二千八十三人で、就職率は九九・八%となっております。  来春卒業予定者につきましては、求人数の減少や求人・求職のミスマッチ等から就職環境は厳しい状況になることが懸念されます。このため、県内企業に対し求人の呼びかけを強力に行う一方、生徒、教師の県内産業視察や教師と企業との懇談会の開催などの対策を進めるとともに、学校と連携し、就職希望者の一〇〇%就職を目指して、求人情報の提供や求人開拓などを積極的に行ってまいります。  次に、今後の雇用対策についてでございます。  厳しい雇用状況に対応した対策といたしましては、企業への求人確保の働きかけと新たな雇用の場の創出が重要であると考えております。このため、公共職業安定所においては、昨年度から求人開拓推進員を配置し、訪問求人開拓を強力に実施するとともに、特に本年五月には県内経済団体及び約千六百社に対して知事名で求人の確保の要請を行ったところであります。  また、新たな雇用の場を創出するために新しく創業する個人や企業及び異業種への進出を行う企業に対して、しまね産業振興財団や各種助成金を活用した総合支援を行うとともに、今後とも、企業に働きかけて求人確保に努め、新規学校卒業者の県内就職や離職者の再就職の促進を図ってまいります。 36: ◯副議長小川博之君) 山崎教育長。    〔山崎教育長登壇〕 37: ◯教育長山崎悠雄君) まず、国旗・国歌に関する指導についてお答えいたします。  児童生徒がこれからの国際社会において信頼され、尊敬される日本人として成長するためには、学校教育において我が国の国旗・国歌はもとより、諸外国の国旗・国歌に対する正しい認識とそれらを尊重する態度を育てることが重要であります。  現行学習指導要領では、入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとすると規定されております。これに基づき、本県ではすべての公立小・中・高等学校の入学式や卒業式において実施されているところであります。したがって、近年、国旗・国歌の取り扱いについて、県教育委員会から学校等に対して特段の指導を行ったことはございません。  次に、学校週五日制についてお答えいたします。  学校週五日制は、学校、家庭及び地域社会における教育や子供たちの生活全体のあり方を見直し、社会の変化に対応して、これからの時代に生きる子供たちの望ましい人間形成を図る観点から実施されるものであると認識しております。  次に、完全学校週五日制の円滑な実施に向けた取り組み状況についてであります。  学校においては、地域の自然や文化、人材などを生かし、家庭や地域の人々とともに子供を育てていくという視点に立って開かれた学校づくりを進めております。また、地域社会においては、子供たちの主体的な体験活動の場の提供と地域ぐるみでの活動支援体制の整備・充実を図るいきいき子ども活動支援事業を今年度約四十の市町村において実施することにしております。  さらに、学校と家庭、地域社会の連携を一層推進していくため、今年度から教員を地域教育コーディネーターとして派遣するなど、市町村への支援に積極的に取り組んでいるところであります。  次に、専門家を交えた委員会などを立ち上げて、その方策を検討してはどうかとの御提案でございますが、校長、社会教育関係団体の代表及び学識経験者で構成する社会教育委員の会などにおいて幅広い分野の方々の御意見をいただき、完全学校週五日制に向けた各種の取り組みが着実に行われるよう進めてまいりたいと考えております。  次に、教員採用についてでありますが、御指摘のように平成十二年度の採用予定数は三割減となっております。その主な理由は、小中学校における児童生徒数の減少、学校の統廃合や平成十三年度以降の国の教職員配置改善計画が不透明であることなどであります。  県教育委員会といたしましては、学校の活力や教員の年齢構成等にも配慮しながら教員採用数の平準化に努めているところであります。  今後、地方分権の推進を図るため、学級編制及び教職員定数について都道府県、市町村の裁量による弾力的な運用が図られるように法的整備が進められることとなっております。  教員数に密接にかかわる学級規模につきましては、法的整備の動向や国が平成十年十月に発足させた教職員配置のあり方等に関する調査研究協力者会議の結果等を踏まえながら研究してまいりたいと考えております。今後とも、長期的な展望に立ち、計画的に教員を採用できるように努めてまいりたいと考えております。  次に、教職員の健康管理の重要性と業務負担の軽減についてお答えします。  子供たちにゆとりの中で生きる力をはぐくむことを基本理念として教育改革が推進される中、教職員が子供たち一人一人のよさや可能性を見出し、それを伸ばすことのできる教育を行うためには、教職員自身が心身ともに健康でゆとりを持って子供たちに接することが必要であり、私といたしましても教職員の健康の維持増進と業務負担の軽減は重要な課題であると認識しております。  しかしながら、教育現場においては、授業等の業務に加え、一層多様化する児童生徒への対応など教職員にかかる負担は次第に増加する傾向にあります。特に本年は全国産業教育フェアへの対応など、臨時的な業務がある中にあって、本県の学校教育は教職員の熱意と努力に負うところが大きいものと受けとめております。  県教育委員会といたしましては、教職員の健康管理と業務負担軽減に向けて、これまでも教職員健康管理センターの設置運営やスクールカウンセラーの配置、あるいは研究指定校の精選などに努めてきたところであり、今年度は分校への養護教員の配置の改善を図ったところであります。  今後は、休暇を取得しやすい職場環境づくりや教職員の悩みが気安く相談できる職場づくりを一層進めるとともに、業務負担の軽減のため、提出文書の簡素化、削減等についても検討してまいりたいと考えております。  次に、特殊教育諸学校の就職対策についてお答えします。  昨年度から始めました特殊教育諸学校進路開拓推進事業(あいワーク事業)の実施により、それぞれの地域で特殊教育諸学校と企業や関係諸機関との連携が深まり、徐々に障害児の就労に対する理解が得られるようになってきております。  特殊教育諸学校の中で卒業生の最も多い知的障害養護学校高等部の状況を見ますと、今春の卒業生は七十一名であり、そのうち二十九名の生徒が企業等へ就職しております。これは率にして四一%であり、前年度の三五%を上回る状況であります。  長引く景気低迷により雇用環境が変化し、卒業生の就職が厳しい時期にあって、しかも生徒の障害の種類や程度が重度・重複化、多様化する中で、このような結果は、あいワーク事業の成果であると考えております。  今後の対策といたしましては、現在学校周辺地域を中心に展開しているこの事業の実施に一層努力するとともに、障害のある生徒の将来の生活基盤を考慮し、生徒の出身地域も視野に入れた取り組みとなるよう検討してまいりたいと考えております。  次に、深刻な不況下での児童生徒の就学奨励についてお答えいたします。
     本県における経済的理由による高校中退者数は、公立では平成七年度、八年度は各一名、九年度七名、十年度五名であり、私立では平成七年度四名、八年度七名、九年度十三名となっており、近年の不況が児童生徒の修学にも影響を及ぼしていることがうかがわれます。  このような状況において、高校生については授業料減免制度の柔軟な運用によって厳しい事情にある生徒の支援に配慮しているところであり、小中学生については、各市町村において就学援助制度が実施されております。  また、特殊法人日本育英会は、高校生への無利子貸与の奨学金について、今年度から緊急採用として大幅に拡充するとともに、採用基準を緩和し、不況による家計の急変にも柔軟に対応できるよう措置されているところであります。  不況が長引く中、県といたしましては、今後とも、このような制度の活用等により修学に困難がある児童生徒の学習機会の確保に努めてまいりたいと考えております。 38: ◯副議長小川博之君) 佐伯警察本部長。    〔佐伯警察本部長登壇〕 39: ◯警察本部長(佐伯英隆君) 私の方からは、通信傍受法案並びに改正風営適正化法についてお答え申し上げます。  まず、お尋ねの法案でございますところの犯罪捜査のための通信傍受に関する法律案でございます。本法律案は、法務省の提出に係る法案でございまして、加えて、現在国会で審議中でございまして、いまだ法律として成立していない段階にございますので、この法律の内容並びにその運用につきまして、県警察としては現時点で答弁、あるいはコメントといったことができる立場にないということを御理解をいただきたいと存じますが、いずれにいたしましても、法律案が成立した場合の運用につきましては、これは申すまでもないことでございますが、法律の趣旨にのっとって、その適正かつ厳格な運用に万全を期する所存でございます。  続きまして、改正風営適正化法についてのお答えでございます。  まず初めに、規制が強化された分野でございますところの特定の地域における広告物の表示、あるいはビラなどの頒布等の禁止という条項がございます。これの状況でございますが、該当する広告物、つまり禁止に当たっておりますところの立て看板、あるいは広告塔といったものに関しましては、現在事業者による自主撤去が進んでおるという報告を受けておりまして、近日中には禁止に当たる地域にあるものについては、すべて撤去されるものというふうに期待をいたしております。また、ビラなどの頒布等に係る違反というのは、これまでのところ警察としては確認はいたしておりません。  続きまして、新たに規制の対象となりました無店舗型の性風俗特殊営業並びに映像送信型の性風俗特殊営業、この二件につきましては、六月二十八日、すなわち昨日現在、県内においては一件の届け出も行われておりません。  最後に、映像送信型性風俗特殊営業の規制についての対処方針というお尋ねでございますが、この種の営業というのはインターネット等のコンピューターネットワークを利用して極めて広範囲に営業されるというのが常態でございます。例えば、島根県で見られる映像情報の発信基地は必ずしも島根県ではない、あるいは逆に当県から発信される映像情報のお客様はほとんど他府県と、こういうことが実際には多いと考えられますので、いわば県境のない事業、あるいは県境のない事象の典型でございますので、当島根県警察のみで対応するのではなくて、警察庁を中心とした全国の警察と一体となって対応することが必要であると考えております。  積極的な広報啓発活動などによりまして、県民の被害防止を図るとともに、関係事業者に対しては適切な指導を行い、当然のことでございますが、悪質事犯に対しては厳正な取り締まりを推進していくと、こういうことを行っておるところでございます。以上でございます。 40: ◯副議長小川博之君) この際、しばらく休憩をいたします。 午後二時四十五分休憩 午後三時二分再開 41: ◯議長飯塚普彬君) それでは会議を再開いたします。  引き続いて各派の代表質問を行います。  せいふう会代表成相安信君。    〔成相安信君登壇、拍手〕 42: ◯三十五番(成相安信君) せいふう会を代表して質問を行います。  知事におかれましては、さきの統一地方選挙において圧倒的多数の県民の皆様から支持を得られ、歴代知事では初の四選を果たされ、引き続き県政を担当されることとなりました。心からお喜びを申し上げますととに、瀬戸際に立たされている今日の厳しい局面が打開され、二十一世紀新時代が展望の開けるものとなりますよう知事の渾身の御努力を願うものであります。  私どもせいふう会は、分区が強行された八束第二選挙区での激戦を制し、信任されるなど、それぞれが力強い支持を得させていただくことができました。県民の皆様からいただいた熱い期待にこたえ、いたずらになれ合う与党的体質を排し、また、無責任な野党意識を戒め、行政の対極として機能し得る議会形成を今後とも目指していく決意を新たにいたしております。  さて、知事は、これまで三期十二年間、「住みよい島根」、「住みたい島根」を政策目標に、一次、二次の中期計画に盛られたビッグプロジェクトを初めとするインフラ整備に努められ、知事の策定された島根県長期計画の基本理念である「定住条件の確立」と「存在意義の構築」に心を砕いてこられました。  しかし、県政を取り巻く状況は極めて憂慮すべきものとなっており、特に最大の行政課題である定住対策は、知事就任時から平成九年までで二万六千人の人口が減少し、今日なお減少し続けていることから、いまだ道のりは厳しい実情にあります。人口減少に歯どめをかけることこそ、今や至上命題であります。知事が担われるこの四年間は、現下の厳しい経済環境と国・地方を通じた財政の逼迫のもとで待ったなしの、まさに県勢の浮沈をかけた極めて責任の重い任期であり、「住みよい島根」、「住みたい島根」の政策目標が実現されるものでなければなりません。これまで推進してこられた県政を踏まえ、今回、県民に訴えられた三つの公約に対する思いと決意を改めてお聞かせいただきたいのであります。  質問の第二は、財政についてであります。  今回の統一地方選挙では、現下の深刻な不況による大都市の税収の落ち込みと地方分権の論議を背景に、東京など大都市を中心に地方交付税の税収配分の見直しが争点となったことは、かつてない新たな流れを強烈に印象づけるものでありました。  既に、昨年度において地方分権推進計画により、地方交付税の算定基準が人口中心に簡素化されたことに伴い、島根県においては、赤来町など人口四千人以下の十六町村を中心に地方交付税の伸び率が抑えられる形で影響を受け、県への配分額を合わせますと、こうした傾斜配分の抑制措置により、県全体で七億三千万円の減額を見たところであります。  加えて、本年度予算においては、地方財政計画における地方交付税では一九・一%の伸び率に対し、県分は昨年度の伸び率二・一%をも下回る一%に抑制された上に、国の税収の大幅な落ち込みにより財源不足に陥った所要額は、交付税特別会計が八兆円の借り入れを行い、その半額は自治体が返済することになっていることから、地方交付税は都市自治体に有利に、島根県を初め過疎自治体では深刻な財源侵食を来しているのであります。  ここで、知事に、こうした都市自治体の主張をどう受けとめられ、地方交付税算定方法の簡素化問題にどう対応していかれるのかお聞かせ願いたいのであります。  また、このたびの段階補正の見直しなどにより、県並びに市町村でそれぞれどの程度の影響額が出たのか、特別会計の借り入れによる後年度負担はそれぞれどうか、あわせて総務部長にお伺いいたします。  二点目は、今後の財政運営についてであります。  平成十一年度の地方財政は、十兆円余の通常収支不足を交付税特別会計借入金等で補てんするという異例の地方財政政策によって辛うじて救済され、危機的状況であります。  島根県においては、こうした地方財政政策を前提にしながらも、なお巨額の収支不足を生じ、六月補正予算後二百八十億円もの基金の取り崩しを余儀なくされる状況にあり、基金残高は平成三年以来初めて一千億円を割り込み九百七十億円余となっております。今後、さらに単年度収支不均衡の状態が続けば、基金食いつぶしによる財政破綻を生じる懸念が持たれるものであります。  また、県債発行残高も本年度末推計で八千二百十四億円余と見込まれ、公債費も過去最高額となる見込みとなっており、財政の硬直化が進みつつあります。  そこで、知事は、次期中期計画期間中の財政見通しをどのように見ておられるのか、さらにかかる財政構造の改革にどう対処されるのか伺うとともに、中期計画を策定されるに当たっての方針や公表時期についてあわせてお伺いをいたします。  三点目は、事務事業評価システムの構築についてであります。  これまで予算編成に当たっては、既存事業や施設の維持管理経費などの経常的経費についての徹底した見直し節減を行い、限られた財源の重点的、効率的な配分等に努めてこられたとされるのでありますが、景気対策としての側面を有する主として公共事業を中心とする予算の拡大は、ともすると事業量の拡大に主眼が置かれ、その事業効果や評価は仕組みが定められていないために見きわめがつきにくいと思われるのであります。  私どもせいふう会と県政クラブは、一昨年、三重県を訪問し、北川知事の手による事務事業評価システムを視察してまいりました。それまで無条件に予算化されていた継続事業等を見直し、すべての事業について目的評価表を作成し、目標値と達成値を吟味して予算額や優先度を決めるという新システムによって、例えば一九九六年度には全事業の三割に当たる九百余件を廃止し、浮いた百六十億円の財源を新規事業に回すことができたという効果を生んでおります。  加えて、評価表のファイルを県民に情報公開窓口やホームページで閲覧でき、ガラス張りになっていることも地方分権の先取りとして特筆できる取り組みであります。  県とされては、現下の財政状況にかんがみ、公開性が確保される中で、政策の企画性を高め、事業の効果的実施と適正な予算の配分について取り組みを強化すべきと考えますが、こうした事務事業評価システムを踏まえ、見解を伺うものであります。  四点目は、入札制度のさらなる改善についてであります。  県予算のうち、最もその大宗をなしているものは公共事業予算であり、公共事業費の負担軽減あるいは事業量の確保の上で、その効率的な執行が急務であります。  県が実施しております公共工事のコスト縮減では、この二年で四・一%達成され、額にして七十八億円余が生み出されたことは評価されるものであります。しかし、なお公共事業の入札価格は高どまりし、半ば定価販売との批判もあるのであります。  県とされては、これまで平成六年六月入札制度の改善を実施され、指名競争入札に加え二億円以上から金額に応じ、意向確認型、公募型、一般競争入札と多様な入札形態を導入されたのでありますが、発注件数全体の九九%は、なお指名競争入札という実情から実効ある改善に至っていない状況であります。  国の会計令第八十五条の基準で示される低入札価格調査制度は、平成八年に導入されたものの、適用の実施はわずか三件という状況にあります。このほか国の外郭団体による補助事業の受注では、随意契約や独占的な契約があるなど入札をめぐっては競争性のもたらされない仕組みや形態が根強く残っている状況があります。  公共工事のコスト縮減については、行動計画に示される内なる対策に加え、入札制度という外部からの対策を講じるべきと考えますが、この際、昨年度の落札率の動向をお尋ねいたしますとともに、今後の対応策について伺うものであります。  質問の第三は、景気対策と雇用問題についてであります。  六月十日、経済企画庁は、国民所得統計速報において、ことし一月から三月期の国内総生産が一年半ぶりにプラスに転じ一・九%の大幅な伸びを報じております。一方、月例経済報告では、景気は下げどまり、横ばいで推移しているとし、最終需要は弱く、回復に向かうか不透明であり、なおまた雇用環境は厳しさを増すと総括判断を示し、景気の回復が懸念されているのであります。  依然として低迷している県内の景気動向はどのようなのか、さらに景気対策としてこれまで大型公共事業の投資と制度融資の拡大で対応されているのでありますが、その効果はどのように見ておられるのか、商工労働部長にお尋ねいたします。  第二点は、雇用対策であります。  総務庁が発表した四月の完全失業率は、ついに男性は五%を超え、男女合計で四・八%と最悪の状態に立ち至っております。県内においても、新規学卒者が職にあぶれる冬の時代から抜け出せないままであり、倒産やリストラによる中高年や社会的弱者の失業は事態を一層深刻にさせております。  政府は、このほど全国で一両年で七十万人規模の雇用、就業機会の増大策として緊急雇用対策、産業競争力強化対策を決定し、今国会で成立後、実施される見込みとなっており、雇用問題は緊急の課題となっております。県内の有効求人倍率の状況や雇用対策はどのように講じられているのか伺うものであります。  第三点は、雇用のミスマッチと職業能力開発についてであります。  求人動向に適応するためには、離転職者向けの短期の職能訓練の活用が欠かせない要件であります。県下の高等技術校では、離転職者向けの対応状況はどのようになっているのかお尋ねいたします。また、今日の雇用情勢に対応する職業訓練が望まれるのでありますが、この三月の職業能力開発審議会の答申を受け、その再編についてどのように対応されるのか伺います。  四点目は、新産業の創出についてであります。  県内の景気を回復させ、新時代を切り開く新産業の創出は、経済構造の改革のみならず、定住対策や新たな雇用確保の上からも期待されているところであります。県とされては、平成十三年に完成するソフトビジネスパークに研究・開発型ソフト産業の集積を計画されているほか、これまでも新産業創出に向けて種々の融資制度や補助金、ベンチャー制度で対応されてきました。また、本年四月には、しまね産業振興財団を核とした産学官連携による新産業創出支援体制がさらに強化されたところであります。  これまで、こうした御努力が県下の新産業創出にどのような効果を生んでいるのかお伺いいたします。また、環境、医療、福祉、情報などの分野において、産業創出意欲を喚起するためには、介護保険制度が介護ビジネスを誘発しておりますように、環境基本計画による基金や県の情報化計画に関するインフラ整備などの具体的方針を示し実行していくことが新産業創出につながっていくことにもなると思われるところであります。お考えをお尋ねし、新産業創出に今後どう取り組まれるのかお伺いをいたします。  質問の第四は、中山間地域対策についてであります。  食料供給力の低下、農村の過疎化・高齢化の進行など、農業・農村をめぐる事態が厳しさを増す中、戦後の農政を反省し、国民全体の視点に立って抜本的に見直す、いわゆる新農業基本法が今国会で成立する見通しとなっております。  知事のさまざまな御努力にもかかわらず、農業生産額、農業就業人口、耕地面積とともに減少の一途をたどり、昨年度の農業所得は一戸当たり三十四万円と全国最低を記録し、担い手の減少とともに過疎化・高齢化が加速される中山間地域の問題などをはらんで島根農業は危殆に瀕しております。  新農業基本法は、食料自給率を設定するとともに、悲願でありました中山間地域農業への所得補償を新たに打ち出し、多様な形態を促しながら自立自助の農業経営を求めております。  知事は、いわゆる新農業基本法の農業の新たな方向をどのように受けとめ、島根の農業、なかんずく中山間地域の再生にいかなる所感と決意を抱いておられるのかお伺いをいたします。  また、県人口の六割、県土の九割、そして県下市町村の九三%を占める中山間地域が過疎・高齢化の波の中で地域的な崩壊にも直面しつつある厳しい状況は、県民全体の問題としてとらえていく課題であると受けとめております。そのためにも都市と農山村の人的交流の機会が得られ、都市住民に中山間地域の多面的機能が再認識され評価される仕組みや体制づくりが急務であると思います。県は、その有力な方策であるグリーン・ツーリズムなどの取り組みや対策に中山間地域対策の一環としてどのように取り組んでおられるのか伺います。  質問の第五は、農林業問題についてであります。  農業の新規就業者の確保は、最も重要な取り組み課題であります。また、県の農業・農村アクションプログラムによる農業生産額一千億円の目標は、残念ながら達成の方向でなく、むしろ落ち込む状況となっており、農業の困難さを感じるのでありますが、米依存体質から脱却する上でも、野菜、果樹、花卉の生産拡大への取り組みに御努力願うところであります。  そこで、ブドウ、キャベツ、切り花など県指定品目の生産動向と振興対策を伺うとともに、あわせて新規就農者の現状と育成策について伺います。  第二点は、市場外流通への支援対策についてであります。  これまで農業の生産、販売体制は、一元的な計画流通にゆだねられ、農業政策もそれに対応する方向で展開が図られてまいりました。しかし、近年の農業取引は市場外流通米が半分近くを占め、一億円の売り上げを持つ青空市場や邑智郡の広島菜等の契約栽培や産直など市場外流通の多様な取引がますます拡大してきております。  県とされても、ホームページでの紹介やがんばる島根農林総合事業で初めて支援策を講じられたのでありますが、今日の新たな流れとなりつつある市場外流通農業を県の農業施策の中でどう位置づけを図られ、対策を講じられるのかお尋ねをいたします。  第三点は、農業生産法人の経営の高度化についてであります。  新農業基本法では、初めて一定の制限下で株式会社を経営体として認める方向を打ち出したことから、他産業の分野から早くも農業参入の動きが出始めていると伺っております。こうした流れと連携し、農業者が資本を蓄え、加工・流通・販売の事業分野へ拡大する動きが活発化すると思われます。  農業者も商工業者との事業連携を視野に入れた相互交流のための施策をさらに本格化させ、農業の二次・三次産業化へつなげる支援体制が必要だと考えます。現在、五十四ある農業生産法人を中心に農業経営の規模拡大、高度化についてどのように考え、対処されるのか伺うものであります。  四点目は、地域特産活用型農業支援事業についてお伺いします。  ベルギー産農産物のダイオキシン汚染は、我が国はもとより輸入各国に一大パニックを与えていると報じられております。年を追うごとに年々安全な食品指向が高まり、無農薬・有機農産物はブームとさえなっております。  今国会で審議中のJAS法の改正により国際基準化が図られた場合、県内のこれまでの有機農産物にとってどのような影響が出るのか、また有機農法の省力化や栽培方法等の技術研究やその普及についてどのように取り組まれているのか伺います。  五点目は、林業振興についてであります。  その一つは、県の重要プロジェクトとなっております中国産地森林文化圏の整備についてであります。島根、広島をまたぐ中国産地において、人と自然との共生の歴史により生まれた森林文化を山村と都市との交流の中ではぐくみ、あわせて林業・山村の活性化、森林の適正管理を進める目的で広島県と共同で中国産地の二地域を整備しようとする事業であります。中央中国産地では両県の関係する十二町村が、西中国産地では十四町村が参加し、将来連携を視野に入れた広大な圏域構想であり、中山間地域の振興と林業の活性化を図る上で大きく期待されているものであります。  既に、整備推進協議会も毎年開催され、立ち上げの準備が終えられようとしている中、今後広島県とどのような協力のもとでこの事業を進められようとしているのか、現状と今後の取り組みについてお尋ねいたします。  その二つは、二十一世紀しまねの森育成事業についてであります。  県土の八割を占める島根の森林は、木材価格の低迷や林業の担い手不足と高齢化など、林業、木材産業の体質が一層弱体化しつつあり、その機能の維持が危ぶまれる現況にあります。こうした中で、特にピークを迎えている間伐の促進と林業生産活動の低コスト化を図るための作業路網の整備を積極的に進めてこられた結果、昨年度において間伐対象面積の約四分の一、路網で四十二キロの整備が進められたところであります。  そこで、本年度から衣をかえてスタートした二十一世紀しまねの森育成事業の実施計画についてどのように取り組まれるのか伺います。  三つには、有害鳥獣被害対策と希少動物の保護についてであります。  有害鳥獣による農林産物被害は、猿、イノシシなど中山間地域を中心に昨年で二億七千万円余に達しており、その早期の対策が強く望まれております。希少動物のツキノワグマの生息調査や保護管理計画は、隣県とどのような協力体制で進められているのか、また、市町村で実施される有害鳥獣の被害対策の状況や県の支援はどのように講じられているのか伺います。  質問の第六は、介護保険についてであります。  給付と負担の関係が明確な社会保険方式により、社会全体で介護を支える介護保険の実施が来年四月に迫ってきております。県が昨年実施された高齢者実態調査に基づく要支援・要介護者になる県内の六十五歳以上の高齢者数は、国の新たな換算表に当てはめて算定されたものではどのように見込まれているのか伺います。また、県とされては、来年度以降五年間の新たな基盤整備に向けて計画の策定作業に入っておられるのでありますが、平成十六年には現在より六十五歳以上の高齢者数が八千人、要支援、要介護者数も千五百人ふえるとされる見込みに対し、どのような整備目標とされるのか伺います。  さらに、六十五歳以上の方が納める一号保険料は最も関心が持たれている点と思われます。近く県下市町村の介護サービスの基盤整備見込みがまとまると伺っておりますが、現段階での保険料の見込みはどのようになっているのか伺うとともに、保険料、介護報酬の決定時期はいつごろになるのか伺います。  二点目は、居宅サービス事業についてであります。  介護保険導入に伴い、いわゆる介護ビジネスは、ある民間研究機関によれば八兆円規模と試算され、日本経済を立ち直らせる有望な成長産業分野とも目されております。県内では説明会に四百七十一事業者、八百五十人の参加があったと聞き及んでいますが、事業者の指定申請や県内の今後の雇用規模はどの程度見込まれるのかお尋ねするとともに、新規事業としての発展方策について伺います。  三点目は、住宅改修についてであります。  介護予防の観点からも、また、在宅介護にとっては当然対応する住環境の整備が欠かせませんが、その点全く無防備という状況に県民は置かれております。二万人以上の要介護の推計人数に対し、これまで住宅改良助成事業で寝たきり、準寝たきり及び障害年金一級の人たちの一部、千百七十九件が対応されているのみであります。そこで、介護保険の適用による住宅改修はどのような対応となるのか伺います。また、この際、県民が安心して豊かな老後が送れるよう高齢化率全国一の島根県が全国に先駆けて新たな住宅改良助成事業を県の最重要施策の一つとして位置づけ、積極的に取り組まれるべきものだと考えます。知事の御所見をお伺いいたします。  四点目は、公的福祉オンブズマン制度についてであります。  措置から契約への移行に伴い、サービスの質の確保が保たれているかが重要な点であろうと思われます。社会福祉の分野特性と対人サービスであることを考え合わせますと、弱者に対する権利擁護、本人や第三者によるサービス評価の仕組み、またその情報開示等による事業者のサービス向上が図られるべきものと考えます。こうした対策はどのように講じられるのか、また、先進各国で見られる公的に支援された福祉オンブズマン制度の導入については、どのように考えられているのか伺います。  質問の第七は、医療対策についてであります。  その一つは、僻地医療についてであります。定住条件の重要な要素の一つは、健康が守られ、安心して住めることであります。本県においては、周知のとおり、若年層の流出等に伴い人口の高齢化や過疎化が急速に進行しておりますが、特に中山間地域や離島などの僻地では厳しい状況下にあり、無医地区が三十四地区、無歯科医地区が五十六地区あるなど、最寄りの医療機関までの距離が遠い地区を多数抱え、これらの地区に住む住民は医療過疎に直面しております。また、僻地勤務医師の不足や既存の診療所医師の高齢化に伴う後継者確保が困難になりつつあるなど、僻地医療を担う人材の確保も大きな課題となっております。  県におかれては、島根県保健医療計画(しまね健康プラン)を策定し、県民すべてがいつでも、どこでも質の高い適切な医療サービスを受けられるよう効率的な医療体制の確立を目指すとともに、保健・医療・福祉サービスを担う従事者の確保と資質向上を図るための体制づくりを推進することを基本理念に掲げ、さまざまな施策を展開してこられたところであります。しかしながら、先ほど述べましたとおり、僻地医療を取り巻く環境は依然として厳しいものがあり、今後僻地医療対策をより一層協力に推進していく必要があると思うのであります。そこで、僻地医療の体制整備について、今後どのように対処されていくのかお尋ねいたします。  その二つは、医療事故の防止についてであります。  いよいよ県立中央病院が最新の機能を備え、開院も間近となり、これからの中核病院としての機能や役割に大きな期待が寄せられているところであります。県とされては、これまで国立大田病院の市立移管や国立浜田病院の診療科目の増設などに取り組まれ、医療設備の充実、高度化に努めてこられたほか、離島、過疎地域の診療体制の強化などを進められ、物的、量的整備は格段と強化されてまいっております。しかし、全国で医療過誤が続発する中、昨秋、輸血ミスが相次いで発覚した松江赤十字病院で、先日重ねての輸血事故が発生したことは、せっかくの県の御努力にもかかわらず、県下の医療の質がどのようであるかとの大きな疑念を抱かせることになっております。
     患者本位の医療の提供を願いたいとの思いで、私は平成七年三百五十七回定例県議会で、病院が医療の第三者機関による評価を受け、受益を受ける県民がいつでも知ることができる医療の情報公開について質問いたしました。時あたかも同年には厚生省や日本医師会など十三団体により、国民が適切で質の高い医療を安心して受けられるよう、医療機関を学術的な視点で客観的、中立的に第三者として評価し、改善や是正を求める日本医療機能評価機構が設立され、一つの方向が見出されたのであります。  平成十年度において、この機構により評価を求め、審査結果に従って改善、是正を行ったと認められた病院に贈られる認定証発行病院は、全国で二百二十病院、中国地方では十六病院、島根県は県立中央病院のみであります。  こうした組織機関を通じ、患者本位を旨とし、みずからの医療を第三者に評価してもらう医療提供者の姿勢は積極的に県民に知らしめ、評価されるべきものでなければなりません。  今回の事故によって県下の病院には、いまだこうした気風に乏しいことがうかがわれ、県立中央病院のせっかくの取り組みも他の医療機関には波及しておらず、県の対応、努力が不十分ではなかったかと思われます。  医療事故の防止対策と県民に開かれた医療の確立に、県とされてはどのような方策で当たられるのかお尋ねいたします。  質問の第八は、環境問題についてであります。  大量生産、大量消費による経済活動は、さまざまな環境破壊をもたらし、その反省に立って地球規模の取り組みが強く求められております。県とされては、一昨年十月、環境基本条例の制定に続き、昨年三月には七十七億円に上るしまね環境基金を設立され、本年二月に環境基本計画を定められたところであります。また、昨年四月には気候変動枠組条約において二酸化炭素の排出削減目標が定められたことから、本県でも島根県地域新エネルギー導入方針が策定されました。いずれも具体的な目標設定がなされており、県の環境対策への意気込みが感じられ評価いたすものであります。この計画の着実な実施には、基金の活用を踏まえ、具体的な実行計画が必要であると思われます。どのような考え方で推進されるのかお伺いをいたします。  二点目は、ダイオキシン対策であります。  新ガイドラインによるダイオキシン類恒久対策として進められている島根県ごみ処理広域化計画によって、県内四圏域で施設整備計画が検討されておりますが、出雲・雲南圏域によるガス化溶融炉の建設費が百四十三億円に上るなど、大規模・高度処理施設となるだけに今後各圏域の支援体制を整えていく必要があります。どのように対処されるのかお伺いをいたします。  三点目は、太陽光発電についてであります。  太陽光発電システムは高価であることから通産省による住宅用太陽光発電導入基盤整備事業の補助制度があり、加えて昨年の倍に当たる東京都など三十八自治体が追加補助や利子補給を表明し普及が図られております。県の島根新エネルギー導入促進事業は、同様の対策を視野に入れた施策展開をなされるのか方針を企画振興部長にお尋ねいたします。  質問の第九は、教育問題についてであります。  文部省は、新しい指導要領が、義務教育では平成十四年より、高校教育では平成十五年から実施されるのを前に、その移行措置として来年春より一部を除き実施できるよう、今月三日告示したところであります。  みずから考え、解決する能力の育成を主題として、知識偏重を見直し、履修単位数の大幅な削減や授業時間の弾力化等、指導内容が大幅に改善される内容となっております。特に、学級崩壊も視野に入れ、教科を越えて広く学ぶ力を身につける総合的な学習の時間は、各校が自由にテーマを選べ、児童や生徒の関心を生かした体験学習を実施することなどが期待されており、新学習指導要領の柱になっております。  県とされましては、昨年三月の二十一世紀に向けた県立学校づくり検討委員会の最終答申を受け、今秋には県立学校の再編計画をまとめられる折から、新学習指導要領の実施とともに、新たな学校教育の体制が形づくられるところとなります。二十一世紀に向けて総合学習など島根の特色を生かす教育をどのように考えておられるのか伺います。  二つ目は、経済低迷下の教育の支援についてであります。  昨年の県内の倒産件数は百件にも上り、有効求人倍率の過去最低を記録するなど、県民の経済環境は悪化いたしております。こうした経済情勢に加え、近年の離婚率の上昇や交通事故による交通遺児などの社会的背景も加わり、経済事由による高校退学者は増加しており、収入の減少に伴い県民の家計に占める教育費は大きな負担となってきております。  県内における高校進学率が今や九七%と、高校の義務教育化が事実上実現している今日、現行の授業料減免制度では、私立では全額減免にならないこと、あるいは日本育英会にゆだねられている奨学金だけでは絶対額が低いこと、また、県下市町村による高校生対象の奨学事業は二十三市町村にとどままっていることなどから、県育英会の奨学事業に高校生対象の制度新設が強く要請されていると思われるのであります。県のお考えをお尋ねをいたします。  質問の第十は、犯罪被害者の支援についてであります。  地下鉄サリン事件を契機に全国の警察で犯罪被害者支援の機運が高まり、県警察においても、その対策が進められたと伺っております。  通常の刑事・民事事件の対応に加え、情報化時代を反映した知能犯罪や悪徳商法、犯罪の低年齢化などを見ましても、世相の混乱を背景に県民が犯罪やトラブルに巻き込まれやすい環境が醸成されつつあるように思われます。  犯罪や交通事犯の取り締まりのみならず、相談や支援といったシビルサービスの機能の強化は、人権の救済と犯罪の抑止に役立つばかりではなく、警察が県民から信頼され尊敬される契機となる重要な意味合いがあると思われます。そこで、その取り組み状況や効果について伺います。  最後に、公共事業について伺います。  一つは、道路整備についてであります。島根の道路整備は、隣接県との連結や一日行動圏の拡大など一九九四年からおおむね三十年間を計画とする広域道路整備基本計画を基本に、現在国の新道路整備五カ年計画に基づき推進されております。特に、高速道路は本県の道路網の骨格を形成し、県土の均衡ある発展を図る上で必要不可欠な根幹的施設であり、この早期整備を願うものであります。  中国横断尾道松江線は、関係者の御努力で、昨年全線整備区間となり施行命令が出されたのに対し、県内の山陰自動車道二百キロにおいては、その約半分を占める出雲―江津嘉久志間及び浜田―益田間は基本計画区間のままとなっております。急務となっている整備について、目下どのように見通されているのかお伺いいたします。  また、改良率で四一・二%、全国で四二位と整備がおくれている県道については、知事の決断で創設された二十一世紀に向けた県単独特別道路整備事業によって、幹線道路網、生活関連道を中心に整備の促進が図られてまいりました。この結果、重点投資区間では全国平均並みの六六%に整備率が向上し、利便性が大きく確保されるところとなっております。  この事業の計画においては、平成二年から平成十一年、すなわち本年度が最終年度であることから、来年度以降の事業計画についてどのような方針を持っておられるのか伺います。  その二つは、斐伊川・神戸川の治水事業についてであります。  今世紀最大かつ最後の事業と言われる斐伊川・神戸川の治水計画は、昭和五十一年、工事実施基本計画が改定され、上・中・下流のいわゆる三点セットで計画が進められるところとなり、多くの地権者の協力を得て、上・中流部では工事が着々と進展いたしており、下流部の早期本格的な着手とともに一日も早い事業の同時完了が望まれるのであります。  そこで、以下の諸点についてお伺いいたします。  第一点は、志津見ダムの基本計画について、日量三万トンの工業用水利用が計画されていましたが、その需要が見込めないことから、利水容量を見直した変更の意向を伺っておりましたが、最終的にどのように取り扱われるのか、また、その対応策についてお聞かせ願いたいのであります。  第二点は、中流部についてでありますが、掘削残土千六百万立米中、四百万立米は新堤防に、七百三十万立米はグリーンステップと呼ばれる残土処理地に埋め立てる予定となっておりますが、残りの四百七十万立米の処理についての取り組み状況と、また、残土の大量発生はいつごろからになるのか伺います。  第三点は、下流部の早期着手についてであります。  大橋川工事の実施に当たっては、昭和五十一年の鳥取県との協定に基づき、両県協議が必要とされ、米子市、境港市の反対により、いまだ着手できない状況にあります。また、松江市においても大橋川の測量調査もできない状況であります。一番恩恵を受ける下流部の事業のおくれは三点セットにより同意し、犠牲を甘受された上・中流住民にとって到底納得が得られないものであります。鳥取県では新知事が就任されたことでもあり、早期に両県協議を開催され、鳥取県、松江市等への対応の強化を求めるものであります。現状と今後の対応について知事にお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 43: ◯議長飯塚普彬君) 澄田知事。    〔澄田知事登壇〕 44: ◯知事澄田信義君) 成相議員の御質問にお答えをいたします。  まず、私の三つの公約に対する思いと決意についてであります。  私は、これまで「定住条件の確立」と「存在意義の構築」を基本理念とする長期計画に沿って、立ちおくれた社会資本の整備を着実に進めるとともに、意欲と創造性に満ちた産業の振興や、だれもが安心して健やかに暮らせる福祉社会の実現など、県民生活の安定と充実を図る取り組みに全力を挙げてまいりました。この結果、意欲的な地域づくりが県内各地で展開されるとともに、長期計画に掲げる多くのプロジェクトが実現を見るなど、二十一世紀に向けた県勢発展の道筋をつけることができたと考えております。  今後は、この成果を生かして、どのようにして現実の人口定住や地域の活性化に結びつけていくか、そのための知恵と工夫が求められております。このため、まず、創造性と郷土を愛する心を持った人づくりを最重点に据え、地域の振興に何よりも大切な人材の育成に積極的に取り組んでまいります。  また、引き続き、定住・交流を進める上で必要な産業、交通、福祉、医療などの基盤づくりを推し進めてまいります。さらに、こうした基盤や本県のすばらしい地域資源を最大限に生かしながら、私は今回名づけた全県フィールドミュージアム構想を中心とした地域づくりの考え方に基づいて、県内各地域が個性的で魅力あふれる場となるよう全力を傾注してまいりたいと考えております。  次に、地方交付税の算定方法の簡明化問題についてお答えをいたします。  地方交付税への依存度の高い本県のような団体にとりましては、算定方法のあり方は大きな問題であります。このため、簡明化を進めるに当たっては、財政調整機能の一層の充実強化を図る観点から、特に財政基盤の脆弱な団体にあっても、地域の実情に即した自主的・主体的な財政運営が可能となるよう十分な配慮が必要であると考えており、先般の国への重点要望事項の一つとして要請したところであります。今後とも、引き続き関係団体と連携して国に対して強く求めてまいりたいと考えております。  次に、財政状況の見通しについてでありますが、近年の経済対策等に伴い、多額に発行してきた県債の償還が今後本格化し、公債費は平成十四年度には一千億円を超える見通しでありますが、その約六割が交付税措置されるものと見込んでおります。これまでは、財政調整基金など三つの基金の計画的な取り崩しにより対応してまいりましたが、基金の取り崩しによる財政運営にも限界があることから、早急に単年度の収支を均衡させる必要があると考えております。このため、歳出の年度間調整や財源の効率的・効果的な配分に努めるとともに、全庁を挙げて経費の節減、事務事業の見直しなどに取り組んでまいる考えであります。  次に、次期中期計画についてであります。  現在の第二次中期計画は、平成十二年度までを計画期間として策定したものでありますが、経済構造の改革、地方分権の進展、国・地方公共団体の財政状況の悪化など、本県を取り巻く状況はその当時の見通しに比し大きく変化してきております。このため、次期中期計画の策定に当たりましては、これまでに整備してきた施設や基盤を最大限に活用し、これらの連携を図りながら、地域づくりの原点である人づくりを初めとするソフト事業に重点を置いた施策を展開してまいりたいと考えております。また、その公表の時期につきましては、今年度中を予定しております。  次に、食料・農業・農村基本法案の新たな方向への思いと島根の農業、中でも中山間地域農業の再生への所感と決意についてであります。  この新基本法案は、新たな基本理念として食料の安定供給の確保、農業・農村の多面的機能の発揮、農業の持続的な発展、農村の振興が掲げられております。これは私があらゆる機会を通じて、本県農業・農村の厳しい実態を伝え、要望してきた内容であり、とりわけ中山間地域の活性化に向けて大きな弾みとなるものと考えております。  今後の本県農業は、新基本法案の基本理念を踏まえ、地域の特性に応じて米・園芸・畜産のバランスのとれた生産構造への転換を一層促進することとし、中でも中山間地域においては、新たに法案に盛り込まれております農業の生産条件の不利を補うための施策や島根県中山間地域活性化基本条例に基づく中山間地域集落維持・活性化緊急対策事業、がんばる島根農林総合事業等を展開し、農業・農村の活性化を図ってまいりたいと考えております。  次に、福祉サービスにおける住宅改良助成事業についてお答えをいたします。  高齢者の方が地域で安心して暮らせるためには、高齢化等に伴う身体機能の低下に対応した住まいづくりが重要であると考えております。  現在は、しまね長寿社会振興基金を活用して住宅改良助成を行っているところでありますが、今後は、介護保険制度の導入に伴い、新たに手すりの取りつけや段差の解消などが介護サービスのメニューとなり、本人負担も少なくなることから、従来より多数の方が利用されるようになるものと考えております。このような状況を踏まえ、今後の高齢者向けの住宅改良助成のあり方につきましては、介護保険の内容を見きわめながら老人保健福祉計画の改定の中で検討してまいりたいと考えております。  次に、山陰自動車道の整備についてお答えをいたします。  基本計画のままとなっている未着手区間の整備につきましては、宍道―出雲間のような日本道路公団による高速自動車国道の手法と、安来道路、江津道路のような建設省による一般国道九号の自動車専用道路の手法があり、今後、採算性や経済性等の課題に対処しながら、この二つの手法を効果的に組み合わせて早期に東西間が高速道路でつながるよう、より積極的な取り組みを進めてまいります。  次に、県単独特別道路整備事業による道路整備の方針についてであります。  県勢の一層の振興を図るため、道路ネットワークの構築を最重点課題として取り組んでまいりました。その結果、県道のうち幹線道路については、改良率が本年度末で六六%となり、全国平均並みに高めることができる見込みとなりました。しかしながら、今後整備が進められる山陰自動車道や中国横断自動車道尾道松江線を有効に活用するためのアクセス道路などの幹線道路網の整備や全国平均と比べて二〇%も低い県道全体の改良率の向上など残された課題も多く、今後これらの解決に向け、より一層の努力を傾注してまいりたいと考えております。  次に、斐伊川・神戸川の治水事業における下流部の早期着手についてお答えをいたします。  大橋川の工事につきましては、御承知のように、昭和五十一年に鳥取県知事との間で締結いたしております協定に基づき、工事の実施に当たっては協議を行うこととなっており、鳥取県との調整が必要であります。このため、これまであらゆる機会を通じ鳥取県に対し協力を要請しております。特に、本年四月には、住民の生活を守るため斐伊川及び神戸川全体の治水計画が円滑に進められるよう、改めて大橋川の測量・調査及び設計の着手に対する協力要請を行ったところでありますが、現時点ではいまだ十分な理解が得られておりません。県といたしましては、おくれております大橋川の工事が進展するよう、引き続き鳥取県に対して理解を求めると同時に、鳥取県側米子・境港両市に対しましても理解が得られるよう最大限の努力をしてまいりたいと考えております。  また、この斐伊川・神戸川治水対策は、上流部・中流部・下流部の事業が一体的に完成して初めて一〇〇%の効果が得られるものであり、上流、中流、下流の関係市町村・流域住民の方々の理解と協力が不可欠であり、関係者が一丸となった取り組みが必要であります。  下流部の松江市につきましては、これまで斐伊川水系治水期成同盟会等におきまして、事業促進に向けての活動がなされておりますが、大橋川改修を円滑に進めるためには、関係市町村、住民が一体となった協調的な取り組みがより一層必要であります。県といたしましても、これらの一体的な取り組みや鳥取県側との合意形成に最大限の努力をしてまいりたいと考えておりますので、県議会におかれましても御協力をよろしくお願いいたします。 45: ◯議長飯塚普彬君) 原総務部長。    〔原総務部長登壇〕 46: ◯総務部長原正之君) 初めに、普通交付税の算定方法の簡明化による影響などについてお答えいたします。  普通交付税の算定に当たっては、人口が少なくなれば一人当たりの経費が割高になることを反映するため、段階補正により財政需要の実態に合わせる仕組みがとられています。平成十年度は算定方法の簡明化の一環として、段階補正の見直しが行われ、県分で二億六百万円、市町村分で五億三千万円のマイナス影響が出たところであります。  また、地方交付税の原資不足を補うための交付税特別会計借入金は、平成十一年度末で約二十九兆六千億円に上る見込みであり、このうち約二十二兆円が地方の負担として将来の地方交付税の中で償還していくことになります。  次に、県育英会の高校生対象奨学金制度の創設についてお答えします。  現在、私立高校生の授業料減免制度は、それぞれの高校の行われる授業料減免制度に対し、県が所要の補助を行っております。減免額は月額で、生活保護世帯の生徒が授業料全額、交通遺児は一万二千七百五十円、そのほかの減免者は一、二年生九千円、三年生八千七百円となっており、年度中途からの減免も対象としております。  また、日本育英会が今年度から家計の急変等のため修学困難となった生徒を対象として、新たに奨学金貸与制度を拡充しており、自宅通学生には月額二万九千円を支給しているところであります。当面、これらの制度の各学校への周知と学校側の適切な指導をお願いするとともに、授業料減免制度のあり方について、今後調査してまいりたいと考えております。 47: ◯議長飯塚普彬君) 島田企画振興部長。    〔島田企画振興部長登壇〕 48: ◯企画振興部長(島田一嗣君) まず、事業の効果的実施と適正な予算配分についてお答えいたします。  御指摘のとおり、県政運営上、効果的な事業の推進とそれに必要な予算の適正な配分を行うことは極めて大切なことであります。この観点から、まず、企画振興部を中心に、どのような施策を展開すれば活力のある島根が実現できるか十分に検討いたしまして、必要な事業を企画立案、選択するとともに、県内外の意見も取り入れた形で長期計画、中期計画を策定しているところであります。  また、毎年度の予算編成を通じて事務事業見直しの基準を設定し、総務部を中心に各部各課を挙げて既存事業の徹底した見直しを図り、個別の事業については、その緊急性、必要な事業費等についてきめ細かな評価を加えながら効率的な財政運営に努めているところであります。  本県の場合、御指摘のありました三重県の事務事業目的評価表のような統一された様式は作成しておりませんが、これと同じような考え方で事業を厳しく評価する仕組みを取り入れております。  なお、事業評価の公開については、その範囲や評価基準の数値化などの問題もありますので、御提案のありました三重県の事務事業評価システムなど他県の事例について、今後研究してみたいと考えております。  次に、しまね新エネルギー導入促進事業についてお答えいたします。  今議会に提案しておりますこの事業は、地域新エネルギーの中でも既に実用段階にある太陽光発電を対象とする二つの事業からなっております。  まず、十月に宍道町で開催されますしまね県民住宅祭の会場で太陽光発電のモデル設備を展示し、住宅需要者に情報提供をして設置の取り組みの拡大を図るものが一つでございます。  また、住宅建設を実際に担当される住宅工務店や設計事務所の方々などを対象に講習会を開催して、太陽光発電についての理解を深め、普及に努めていただく関連事業者の拡大を図っていくものが二つ目でございます。  太陽光発電に関する国の助成制度や太陽光発電そのものが余り知られていない現状においては、まずはその認知度を高めていく必要があることから、これらの事業を推進しようとするものでありますので、御指摘の一般住宅を対象とした県費による追加補助や利子補給などの支援については、今のところ考えておりません。  次に、斐伊川・神戸川治水対策についてお答えをいたします。  志津見ダム建設事業は、関係市町と水没地域住民の方々の理解と協力が得られたことにより事業促進が図られておりまして、ダムによって得られる貴重な水資源をいかに有効に活用するかが重要であると考えております。  当初、志津見ダムは日量三万トンの工業用水を確保しておりましたが、今日の社会情勢において企業の水需要も変化していることから、工業用水の見直しを含めた利水容量の有効活用策について、現在総合的に検討を行っているところであります。なお、活用策の一つとして、発電について平成十年度に調査を行い、発電参加は可能であるとの結果を得たところであります。今後、この結果を含め、関係機関と調整を図りながら活用策を取りまとめていきたいと考えております。  終わりに、斐伊川放水路事業に伴う残土についての質問でございますが、この残土処理の問題につきましては、建設省においては残土処理候補地の地盤の状況など諸事情を考慮して処理案の検討を行っており、現在、方針決定に向けて関係者と協議中であると聞いております。  また、残土の大量発生の時期につきましては、建設省によりますと予算化の状況などにもよりますが、平成十年代の後半に最も多く発生するということであります。以上でございます。 49: ◯議長飯塚普彬君) 飯塚環境生活部長。    〔飯塚環境生活部長登壇〕 50: ◯環境生活部長(飯塚紀君) まず、環境基本計画の推進についてお答えします。  環境基本計画では、特に重要と考えられる施策、緊急に取り組む必要のある施策等を七つの重点プロジェクトとして取り組むこととしております。  昨年創設しました七十七億円のしまね環境基金は、県民、事業者、行政すべての参加による豊かな環境を守り、はぐくむための行動基金として、この重点プロジェクトの推進を中心に活用していくこととしております。  平成十一年度は、県民参加の観点から重点プロジェクトのうち、まず、要望の多かったごみゼロ社会に向けたリサイクル島根推進プロジェクト及び環境にやさしい人・地域づくり推進プロジェクトに関連した県民の実践活動に対する支援に基金を活用することにしております。  また、計画で示した施策を総合的、効果的に推進するため、庁内に環境基本計画推進会議を設けたところであり、ここで各部局の緊密な連携のもとに環境基本計画の適切な進行管理を行っていくとともに、県みずから率先して環境を保全するための行動に取り組んでまいります。  次に、ごみ処理広域化計画についてお答えいたします。  県は本年三月、ごみ焼却施設から発生するダイオキシン対策を主眼として、各市町村の意見や焼却の実態を踏まえながら、県全体のごみ処理の方向性を示した広域化計画を策定したところであります。  今後、ごみ処理の主体者である市町村において、収集・運搬計画や運営体制も含め具体的な実施計画を策定し、整備をしていただくことになりますが、県としましては、市町村間の協議の場である連絡調整会議において必要な助言や技術的支援を行うこととしております。  御指摘のように施設が大規模となり、また、新しい技術に対応した施設整備が必要になることが考えられますので、国に対して財政措置の充実を要望しているところであり、今後、市町村の意見を踏まえながら、県としてどのような支援ができるのか検討していきたいと考えております。 51: ◯議長飯塚普彬君) 外山健康福祉部長。    〔外山健康福祉部長登壇〕 52: ◯健康福祉部長外山千也君) まず、介護保険制度がスタートする十二年度に要支援ないし要介護と認定される高齢者数は、現段階では約二万八千人と見込んでおります。  次に、来年度以降五年間の基盤整備の整備目標についてでありますが、さきに開催した県介護保険事業支援計画等策定委員会に示した県の調整案では、まず、施設サービスについて、特別養護老人ホーム、それから老人保健施設、療養型病床群の三施設の合計で、平成十六年度の六十五歳以上人口比で、上限値として約四%を設定して、その内訳につきましては、療養型病床群については平成十二年度当初の各圏域の整備目標数の七割が介護施設に移行するものとして、ほかの二施設──特養と老人保健施設でありますが──については、地域の実態に即して決めるものとしたところであります。
     なお、既に各圏域ごとの個別的状況により、これになかなかよりがたいという実態にある圏域につきましては、その実態に即した目標設定を可能としているところであります。  また、居宅サービスにつきましては、介護保険制度の実施に伴い、利用者希望が次第に高まってくるんだということを前提といたしまして、これに対応できる基盤整備を行うこととしております。  次に、保険料の見込額でありますが、施設の整備水準を現在見込まれる確実な数値、居宅サービスの水準を昨年度の高齢者実態調査の結果における利用意向にほぼ一〇〇%対応できる水準に設定いたしますと、介護保険スタート時点での本県内の保険料は平均で三千円を少し上回る程度になるものと見込んでおります。また、具体的な保険料額は、年内をめどに各保険者が策定する介護保険事業計画の中で明らかにされます。  次に、介護報酬につきましては、国の予算とも絡むことから、最終的な決定は第四・四半期に入るものと見込まれますが、仮単価はこの夏にも明らかにされる見込みであります。  次に、介護保険サービス提供事業者の指定申請の状況についてでありますが、五月に実施したサービス提供事業者の説明会の出席者に対するアンケート調査結果では、重複はございますけども、ケアプランの作成などを行う居宅介護支援事業につきましては百九十六事業者が、それから居宅介護サービス事業につきましては三百三十三事業者が、また、施設につきましては百三十六事業者が参入の意向を示されたところであります。  次に、平成十二年度から五年間に新たに発生する直接雇用規模は、おおむね三千人程度と見込まれます。  次に、介護保険サービスについて、新規事業としての発展方策についてでありますが、本県の保険給付費、保険給付対象サービス事業費でありますが、約四百五十億円と試算しております。今後、高齢者の絶対数が増加することに伴い、事業規模は当然さらに増加していくわけでございます。また、このほかに元気老人を対象としたこのシルバービジネスなどの拡大も合わせればパイはさらに大きくなるものと思われます。  新たな事業者の参入など、このようなニーズにこたえ得る事業者が県内に育ち、雇用の拡大にもつながることを期待しております。  次に、介護保険による住宅改修についてでありますが、保険の給付対象となる住宅改修は、高齢者の自立を支援する観点から設けられたものでありまして、その内容としては手すりの取りつけ、床段差の解消、洋式への便器の取りかえ、引き戸などへの扉の変更、それから滑りの防止、移動の円滑化などのための床材の変更などが考えられております。  次に、弱者の権利擁護についてでありますが、痴呆性高齢者など自己決定能力が低下した方々が地域で安心して生活できるようにするために、地域福祉権利擁護事業を本年十月から実施することとして補正予算でお願いしているところであります。  次に、情報提供についてでありますが、福祉施設を利用しやすくするために、全国に先駆けまして社会福祉施設のさまざまな情報をインターネットなどで提供しているところでありますが、今後はさらに充実したいというふうに考えております。  それから、公的福祉オンブズマン制度の導入についてであります。  施設入所者や家族の不安を払拭するために第三者による評価の一つとして、今後、施設オンブズパーソンの設置を検討してまいりたいというふうに考えております。  次に、僻地医療の提供体制の考え方でありますけども、これまででも僻地勤務医師の確保とか診療所の設置など、点としての整備は進めてまいったところでありますけども、今後は僻地中核病院を中心とした面的な医療機能の整備を図るために、僻地勤務医師確保協議会を通じた医師確保対策の推進とか、あるいは代診医の導入による医師の勤務環境の改善によりまして一層の充実に努めるとともに、僻地中核病院の施設設備の整備を促進いたしまして、診療体制や医療機能の充実強化を図ってまいりたいと考えております。  また、僻地医療の質的な向上にも対応するために、僻地診療所と僻地中核病院及び県立中央病院──これは新県立中央病院でありますけども──などの三次医療機関の間を結んで画像伝送や、あるいは症例検討を行う僻地医療情報システムの構築につきましても、具体的に検討していきたいというふうに考えております。  次に、医療事故の防止対策、それから県民に開かれた医療体制についてお答えします。  県内の医療機関におきまして医療事故が相次いで発生したことにつきましては、県民の医療に対する信頼を著しく損ねかねない極めて深刻な事態であると思っております。この事態を深刻に受けとめまして、県といたしましては異例の措置といたしまして、医療法第二十五条に基づく立入検査をするなど改善指導を行ってきたところであります。  今後の事故防止対策につきましては、今年度の医療監視におきまして、輸血療法の適正化を重点事項として実施するとともに、これまでの事故報告書の内容等も十分参考にいたしまして、輸血などに係る事故防止方策につきましての検討の場を新たに設置するなど、医療事故防止対策に取り組みたいと考えております。  また、医療事故防止の観点はもとより、良質な医療を効率的に提供するためには、第三者による医療機関の医療機能評価を取り入れることは大切なことと考えておりますが、県の努力不足だということは御指摘があったところでございますけれども、こういった事柄に対してまで行政が関与すべきかどうかという点もありますものですから、慎重に検討してまいりたいと思っております。しかしながら、医療機関が自主的にこういった第三者評価を進めるということは、非常に好ましいというふうに思っております。  最後に、カルテなどの情報開示につきましては、法制化はまだの段階でありますが、新しい県立中央病院に導入いたします電子カルテでは、当面診療の際にコンピューターの端末画面を通じまして、患者さんにもデータ等を供覧するといった一部開示を行いながら、その蓄積を踏まえまして、原則全面開示に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。 53: ◯議長飯塚普彬君) 稲田農林水産部長。    〔稲田農林水産部長登壇〕 54: ◯農林水産部長稲田光君) 初めに、グリーン・ツーリズムの取り組みについてでございます。  都市住民が農山漁村で自然の恵みをじかに感じ、その地域ならではの食材の提供を受け、地域の伝統行事に参加したり、農林漁業体験などを楽しむグリーン・ツーリズムにつきましては、中山間地域の振興に役立つものであると考えております。このような観点から、農林漁業の体験施設、都市と農村の交流施設、宿泊施設などの整備に対して支援を行い、その推進を図ってきたところでございます。  平成九年度からは、グリーン・ツーリズムのモデル事業を邑智郡で実施し、トウモロコシの収穫や炭焼きなどの農作業体験などを実施し好評を得ているところでございます。今年度は、邑智郡内の各町村の連携による各町村の特色を生かした広域回廊ルートの確立を目指した取り組みを進めてまいりたいと考えております。  今後、三年間にわたる本事業の課題を整理するとともに、この事業の成果を踏まえまして、県下全域への波及に努め、今回知事が提唱されました全県フィールドミュージアム構想の一環として有機的な連携を図り、中山間地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。  次に、ブドウ、キャベツ、切り花など県指定品目の生産動向と振興対策でございます。  県指定品目の生産動向は増加している品目もございますけれども、高齢化の進行などによりまして全体としては減少しているところでございます。  その中で、ブドウにつきましては、生産者の高齢化、樹体の衰退というふうなものから生産量が年々減少傾向にありまして、本年度から面積の減少に歯どめをかけ、生産量を向上させるため、リース農場方式の推進や生産性の高いウイルスフリー苗への改植を進めており、島根ブドウ再生を目指しております。  次に、キャベツにつきましては、春作を中心に栽培面積が拡大しておりまして、大阪の卸売市場からブランド品目として高い評価を受けております。今後、機械化、作業受委託を進めるとともに、拡充された価格安定対策などによりまして、県下全域でさらなる振興を図ってまいりたいというふうに考えております。  切り花につきましては、菊、バラなどを中心に、これまでに順調に伸びてきております。今後、生産者に優良種苗や情報の提供を行うとともに、先進農業者をアドバイザーとして派遣することなどによりまして品質の高い花づくりと生産の拡大を図ってまいりたいというふうに考えております。  次に、新規就農者の現状と育成策でございます。  新規就農者につきましては、平成六年からこの五年間で県下に八十一名就農しております。これを経営部門別に見てみますと、野菜、花卉、果樹の園芸部門が全体の六二%でございます。肉用牛・酪農などの畜産部門が二〇%というふうになっております。  また、新規就農対策につきましては、東京や大阪などにおける就農相談会や研修先の紹介・あっせんなどを行う新規就農支援事業を初め、就農するための技術研修や施設機械整備の支援を行う若い農業者就農促進対策事業などの対策を実施するほか、より幅広く新規就農者を円滑に確保するため、アグリセミナー島根を実施したいというふうに考えております。  今後とも、新規就農者の確保と育成を図るため、総合的な対策を講じてまいりたいというふうに考えております。  次に、市場外流通農業の県の農業施策の中での位置づけと支援対策でございます。  近年、中山間地域を中心に高齢化や担い手不足が進みまして、市場流通で求められる規格品の大量流通に対応できない状況が生じております。  一方、消費者にも安全性、あるいは本物志向といった価値観の変化が見られることから、付加価値の高い農産物や、あるいは少量多品目農産物の生産・流通が今後本県農業の重要な柱の一つになるというふうに考えております。そのため、県といたしましては、今年度から地域特性活用型農業支援事業というふうなものを創設し、これらの農産物生産のためのさまざまな取り組みに対しまして、積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。  次に、農業生産法人などの経営の規模拡大や高度化でございます。  御指摘のとおり、今後の農業を新たな観点から振興していくためには、他産業との連携や商工業者との事業提携など農業を二次、三次産業まで進めることも重要な施策でございます。  今後、こうした点に留意いたしまして、新たな農業法人の設立と既存法人の経営改善を目的として各種事業を進めるとともに、農林水産業を起点といたしまして、食品製造業、食品流通業、販売業、外食産業を経て、消費者に至る一連の食品供給の流れの高度化を目的としたいわばフードシステムの高度化というふうなものの事業を活用しまして、農業生産法人を指導・支援していく考えでございます。  次に、JAS法改正の県内有機農産物に対する影響でございます。  改正JAS法案につきましては、従来から有機農産物、それから特別栽培農産物に係る表示ガイドラインというふうなものがございまして、こういうものに運用されてきたもののうち、いわゆる化学合成農薬、あるいは肥料を使用しない農産物を有機農産物というふうなことで、第三者機関の認証がなされたものだけが有機の表示が可能というふうになる仕組みでございます。  このガイドラインによる有機農産物については、既に国際的な基準と基本的に異なるものではございませんので、これまでこのガイドラインに基づいて有機農産物として認証されたものにつきましては影響はないというふうに考えております。しかしながら、生産者と消費者のお互いの理解で成り立っている産直のような取引の中には、ガイドラインに基づく特別栽培農産物というものがございまして、そういうふうなものとして認められるべきものも考えられるわけでございます。このため、県といたしましては、地域特性活用型農業支援事業において、本県独自の認証制度を早急に検討し、生産者、消費者が混乱しないよう円滑な対応ができるよう検討を進めてまいりたいというふうに考えております。  次に、有機農業の技術研究とその普及でございます。  有機農業の省力化は極めて重要な課題でございまして、農業試験場において水稲の再生紙マルチ栽培というふうなこと、あるいは性フェロモンを用いた害虫防除、そして天敵利用というふうな技術開発に取り組んでいるところでございます。  現在、このような研究成果を生かしまして、例えば横田町における水稲の紙マルチ栽培は八ヘクタールほど、中海干拓揖屋工区におきましては、キャベツ栽培でございますが、性フェロモンを使った害虫防除が十九ヘクタールほど実施されております。  今後とも、試験・研究等の成果をもとに作成いたしました「環境にやさしい農業技術集」を活用するとともに、実証展示圃による技術普及を通じ、環境にやさしい農業の技術確立を図ってまいりたいというふうに考えております。  次に、中国産地森林文化圏整備事業でございます。  この事業は、島根、広島の県境を超えた広域連携のもとに、文化、経済、環境の三つの観点から森林を再評価いたしまして、人間と森林の共生を基本として山村と都市との交流や地域資源の活用による山村社会の活性化を図ろうとするものでございます。  今年度は、中央中国山地でございますけれども、次世代を担う小中学生を対象に森の遊びを通じて感性豊かな人づくりを目指す森の学園事業、また、西中国山地でございますが、都市との交流を促進するための森林文化フェスティバルというものを開催する予定でございます。  関係町村の自由な発想のもとに、地域の森林資源を大いに生かした特色ある地域づくりが行われるよう、県といたしましても今後とも引き続き広島県と連携いたしまして支援してまいりたいというふうに考えております。  次に、二十一世紀しまねの森育成事業でございます。  健全で活力ある島根の森を育てていくため、間伐材の利用の拡大を図りつつ、間伐の促進をさらに強化していくことが必要でございます。この事業では、間伐材の出荷や県産材を活用した新技術・新用途の研究開発に対する助成、基幹作業道の開設、さらには木のよさをPRするため、県立の公共施設への県産材製品を整備するというふうな内容でございます。  実施に当たりましては、流域ごとに重点実施地域の設定、作業道の整備計画、それから間伐材の生産量と需要量というふうなものを具体的に定めました間伐アクションプログラムというものを策定いたしまして、生産から流通加工、そして消費拡大に至る一体的な取り組みを強化して、全国並みの間伐実施率、間伐材の利用率というふうなものを目指してまいりたいと考えております。  次に、希少動物であるツキノワグマでございます。  ツキノワグマは、島根、広島、山口の三県にまたがる西中国地域に生息しておりますが、地域個体群というふうなことの生息数が少ない上、生息環境の変化によりまして、環境庁のレッドデータブックにおいて絶滅のおそれのある地域個体群というふうなこととされております。  こうした状況を受けまして、島根、山口、広島の三県は、西中国山地ツキノワグマ保護管理対策協議会というふうなものを設けまして、密接な連携を図りながら、生息動向の把握なり適正な捕獲管理というふうなことを内容といたしました保護管理計画というものを策定して、これに沿って施策を実施しているところでございます。  また、ツキノワグマの行動範囲が三県にまたがることから、生息密度や動向につきまして、平成十年度から二カ年、三県による一体的な調査を実施しているところでございます。  次に、市町村で実施している有害鳥獣の被害対策の実情と県の支援でございます。  市町村が実施している有害鳥獣対策は、大きく分けて被害の防止のための予防対策と駆除対策の二つになります。  まず、予防対策でございますけれども、電気柵やフェンス、トタンというふうな防護柵の設置を内容とするものでございます。  また、駆除対策は、それぞれの市町村における駆除活動というふうなものに対して、具体的には駆除班員の出動手当や、あるいは捕獲奨励金を支給するというふうなものでございます。  県の支援というふうなものでございますが、土地改良事業として被害防止柵を整備する場合には、これは当然県が補助するわけでございますが、それとともに市町村が行うそうした補助事業以外の予防柵でございますけれども、そういうものと、それから先ほど申しました駆除対策というふうなものにつきましては、平成九年度から実施しております有害鳥獣被害対策交付金というふうなものにより支援いたしております。  今後とも、地域の実情に応じた形で、一層実効のある鳥獣被害対策を講じてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 55: ◯議長飯塚普彬君) 稲田商工労働部長。    〔稲田商工労働部長登壇〕 56: ◯商工労働部長稲田節哉君) 県の景気対策についてお答えいたします。  まず、県内の景気動向についてであります。設備投資や個人消費の面で依然として厳しい状況が続いておりますが、一方で住宅投資や企業の生産動向の一部に持ち直しの傾向が見られるなど、下げどまりの兆しもうかがわれるところであります。  次に、景気対策の効果についてであります。  県におきましては、昨年来、国の景気対策に呼応し、公共事業の確保や中小企業金融対策の充実などの措置を講じてきたところでありますが、これにより本県経済にも一定の効果があらわれているものと認識しております。  まず、平成十年度の県の公共事業の発注額は、前年度比二六・九%の増となっており、これに伴い昨年末以降、関連の生コンクリート、コンクリート二次製品で高水準の生産を維持しているほか、建設業従事労働者の所得も前年を上回っております。  また、中小企業金融対策として昨年創設した緊急経営支援資金、緊急小企業支援資金追認保証及び中小企業金融安定化特別保証の実績は、合わせて六百六十八億円余となっております。こうした措置がことしに入ってからの企業倒産の大幅の減少や最近の県内企業の業況判断、資金繰り判断の改善等につながっているのではないかと考えております。  次に、有効求人倍率と雇用対策についてお答えいたします。  景気の影響から雇用の情勢は、求人がほぼ全産業で減少しております。このため、有効求人倍率は平成十一年四月で〇・七三倍となっており、本県にとりましては十五年八カ月ぶりの低い数値となるなど、厳しい状況にあります。  この厳しい雇用状況に対応するため、積極的な求人開拓、離職者の再就職促進、職業相談、情報提供業務の充実、特定求職者雇用開発助成金制度や再就職手当等の活用により雇用の確保に努めてまいります。  次に、転職者向けの短期訓練についてお答えいたします。  県立高等技術校では、松江校、出雲校、益田校でそれぞれ四十名、浜田校で三十名、合計百五十名の定員を設けております。平成十年度におきましては、緊急雇用開発プログラムの実施により十五名の定員増を行い、今年度も引き続き三十名の定員増を行っているところであります。  次に、高等技術校の再編整備についてでありますが、職業能力開発審議会からいただきました答申を具体化するために、関係する各課長で構成する庁内検討委員会を設置し、訓練課程や訓練科目、施設の配置・整備のあり方等について、現在検討を進めているところであります。  次に、新産業創出についてお答えいたします。  まず、支援施策の効果についてであります。県といたしましては、これまで各種支援施策を積極的に充実させてきたところでありますが、産学官の共同研究に対する補助金や創業者支援のための制度融資等を利用して、新技術、新製品の開発や新規創業を目指す企業は、環境関連分野、情報関連分野など年々増加する傾向にあり、新産業創出等に当たっての政策的効果があらわれつつあると考えております。  次に、新産業創出の取り組みについてであります。  環境、医療、福祉、情報等の分野は、今後大きな成長が見込まれる産業分野であると考えております。本年三月に作成した科学技術振興指針においては、こうした分野を重点的に振興すべき分野として定めるとともに、基本的な推進方策を明らかにしたところであります。  県といたしましては、今後、これらの分野を指針をベースとして庁内で施策の整合性を図りながら、重点的かつ戦略的に振興してまいりたいと考えております。 57: ◯議長飯塚普彬君) 福成土木部長。    〔福成土木部長登壇〕 58: ◯土木部長(福成孝三君) 入札制度についてお答えいたします。  まず、落札率についてでございますが、昨年度の農林水産部と土木部が発注する工事における落札率は九八・三%となっております。  次に、入札制度についてでありますが、本県においても平成六年度から一般競争入札などの多様な入札制度を導入してきております。また、昨年の七月からは、建設工事における予定価格の事後公表を、また十月には経営事項審査結果の公表を行い、入札・契約手続の透明性の向上を図ってきたところであります。  今後とも、民間からの技術提案を受け入れることのできるいわゆるVE方式とも呼ばれております新しい入札・契約方式の導入や低入札価格調査制度の適用範囲の拡大及び建設工事における積算内訳の公表などを行うことによりまして、入札・契約手続の公平性・透明性の一層の向上を図るとともに、コストの縮減に努めてまいります。 59: ◯議長飯塚普彬君) 山崎教育長。    〔山崎教育長登壇〕 60: ◯教育長山崎悠雄君) 島根の特色を生かす教育についてお答えいたします。  現在推進されております教育改革につきましては、本県としても子供たちにゆとりの中で生きる力をはぐくむという基本理念を踏まえつつ、島根の特色が生かされた教育を実現することが重要であると考えております。  この教育改革の重要な柱の一つである新学習指導要領で新設された総合的な学習の時間の活用につきましては、各学校の創意工夫によって本県のすぐれた自然や歴史・文化などを素材とした体験的な学習に取り組むなど、島根の特色も十分生かした教育を展開してまいりたいと考えております。  また、本県の置かれている社会情勢や課題を踏まえ、島根に誇りと愛着を持つ子供たちを育てるふるさと教育や高齢化社会に対応する福祉・ボランティア教育、自然を愛し育てていく環境教育などの一層の充実を図ることにより、「ふるさとを愛し、たくましさと創造性に富む心豊かな人づくり」に努めてまいります。  さらに、現在検討を進めております県立学校再編成につきましては、今後の生徒数の減少による単なる学校規模の縮小に終わるのではなく、生徒や地域のニーズを踏まえ、二十一世紀に向けた魅力ある学校づくりに資するものにしたいと考えております。以上でございます。 61: ◯議長飯塚普彬君) 佐伯警察本部長。    〔佐伯警察本部長登壇〕 62: ◯警察本部長(佐伯英隆君) 犯罪被害者の支援対策についてお答え申し上げます。
     犯罪の被害者というのは、犯罪による直接的な被害だけではなくて、その結果生じますところの精神的、あるいは経済的な被害など多くの被害を受けておりまして、支援を必要としているというのが実情でございます。  そこで、県警察といたしましては、平成八年に被害者対策についての基本方針を策定いたしまして、被害者の視点に立ったさまざまな対策を推進しているところでございます。  具体的に申し上げますと、まず、刑事手続、あるいは相談窓口、あるいはさまざまな支援制度について説明をした「被害者の手引き」というパンフレットを作成いたしまして、まず被害者に交付しておるのを初めといたしまして、相談室の設置、それから被害者の診断書作成費用の公費負担、さらには性犯罪捜査における担当女性警察官の指定などを行っております。  また、警察のみでは対応できないさまざまな被害者のニーズに対応するために関係機関あるいは関係団体との連携によります被害者支援連絡協議会、さらにはその下部組織とも言えます地域ネットワークの設立などに取り組んできたところでございます。  こうした取り組みの成果と、あるいは効果といたしまして、今まで社会の中で孤立していた被害者の人権に目が向けられまして、社会全体として被害者を支援しようという機運が醸成されつつあるのではないかと認識をいたしております。  また、関係機関、団体のおかげをもちまして、個別の事案におきましては、被害者あるいはその関係者から感謝の言葉が寄せられているという報告も受けております。警察といたしましては、今後とも、関係機関あるいは関係団体等との連携のもとに被害者のニーズに沿ったきめ細かで、かつ的確な被害者支援対策を一層充実させていきたいと考えております。以上でございます。 63: ◯議長飯塚普彬君) 以上で本日の議事日程は全部終わりました。  なお、次の本会議は六月三十日に開きます。  本日は、これをもって散会いたします。 午後四時四十二分散会 発言が指定されていません。 島根県議会 ↑ 本文の先頭へ...